★★★作品

2007/01/19

大いなる休暇

「大いなる休暇」★★★
(DVD)2003年カナダ
監督:ジャン=フランソワ・プリオ
脚本:ケン・スコット
出演:レイモン・ブシャール デヴィッド・ブータン
   ブノワ・ブリエール ピエール・コラン

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大いなる休暇@映画生活

本当にそれで良かったのか。そういう思いが残り続ける。仕事のない島で生活を続けるために、ジェルマン(レイモン・ブシャール)たちは工場を誘致しようと悪戦苦闘する。医師を確保するために、常軌を逸した嘘を突き通す。

そのドタバタぶりが笑いを産むのであるが、そもそも工場誘致が正しい解決策であったのか。無論、直近では職を得て、安定した生活を送ることができよう。

だが、10年、20年先はどうなるであろう。企業というものは業績次第で地元の意向など考えなく、簡単に工場の閉鎖や移転を行ってしまうものだ。非情と言われるかもしないが、企業とはそういうものである。誘致を行う際には、そのことを充分に考えなければならないが、彼らにそうした視点は感じられない。

それをおとぎ話のようにめでたし、めでたしとして終わっていいのだろうか。彼らの行った苦労が、すぐに無駄になりそうで、心が落ち着かない。

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2006/08/03

小さき勇者たち~ガメラ~

「小さき勇者たち~ガメラ~」★★★
(名劇1)2006年日本
監督:田崎竜太
脚本:龍居由佳里
出演:富岡涼 夏帆 津田寛治 寺島進

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小さき勇者たち~ガメラ~@映画生活

父親(津田寛治)に止められながらも戦闘中のガメラの元へ駆け寄ろうとする少年透(富岡涼)。その場面が何度も繰り返される。

近くに行ったとしても何もできないではないか。思慮の足りない愚かな行為であるとするのは容易い。だが、そうせざるを得ない心情というものもあるであろう。ピーター・ジャクソン監督の「キング・コング」(2005)で、どこまでもコングを追い駆けていくアンの姿を思い出す。

ガメラへ赤く輝く謎の鉱石を届けようとする子供たちのリレー。そして、ガメラを守ろうとする子供たちのバリケード。それはそれで感動的なシークエンスになっているが、どうも曖昧な印象を持つ。

何故、子供たちがそこまでしてガメラと共鳴しているのか。それはガメラの立ち位置にも関連する。何故、人間たちを守って、巨大生物と対峙するのか、終始分らない。

ガメラを安易に子供のヒーローとしてしまうことが物語を弱くしている。

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2006/06/27

プロデューサーズ

「プロデューサーズ」★★★
(盛岡フォーラム1)2005年アメリカ
監督:スーザン・ストローマン
脚本:メル・ブルックス トーマス・ミーハン
出演:ネイサン・レイン マシュー・ブロデリック
    ユマ・サーマン ウィル・フェレル

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プロデューサーズ@映画生活

所詮、虚構の世界と分っていても、その中に人生の真理があるから、人は映画や芝居に魅了されてしまうのだろう。

嘘で固められたようなマックス(ネイサン・レイン)の言葉に、レオ(マシュー・ブロデリック)や老婦人の出資者たちが乗ってしまうのも、嘘とは分っていてもなお自分の信じていたい夢の一部を刺激するからだと思う。

本作品の面白さは、最低に最低を掛け合わせていくと逆に最高になってしまうところであろう。反対に言えば、最高に最高のものを掛けていっても、最低のものしか出来上がらないかもしれないということだ。プロデューサーの妙味は、それらをいかに掛け合わせるか決められるところにある。

メル・ブルックス監督のオリジナル版(1968)を既に見ているので、ドラマ展開に驚きは感じられない。鑑賞後に様々なレビューに目を通すと、舞台劇をそのまま映像化したことに賛否評論分れているようだ。楽曲の素晴らしさは認めるが、映画としての深みのなさがマイナスとなっている。

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2005/08/10

フレンチなしあわせのみつけ方

「フレンチなしあわせのみつけ方」★★★
(シネ・アミューズ/ウェスト)
2004年フランス 監督:イヴァン・アタル
出演:シャルロット・ゲンズブール イヴァン・アタル
   アラン・シャバ エマニュエル・セニエ

パリの自動車販売会社に勤めるヴァンサンは、不動産会社で働く妻ガブリエルと小学生の一人息子ジョゼフの3人暮らし。誰もが羨ましがる温かい家庭を築いているように見えるが、ヴァンサンはエステティシャンの愛人を作っていたのだ。それにガブリエルは薄々と気がついているのだが…。

壜などから服の上に水をかけるというシーンが何度も挿入されている。これは理性という構えた気持ちを打ち破り、本心をさらけ出そうとする試みではないだろうか。

しかし、ドラマにメリハリがないのかバランスが悪いのか、上映時間以上に長く感じた。それはこれで話が終わるのかなぁと思っていると、そこからまた違う話が始まっていくことが続いたせいであろう。

個々のエピソードは面白いものもあるが、時系列をバラバラにした構成が分りにくいものにしている。

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2005/05/06

ホワイトナイツ 白夜

「ホワイトナイツ 白夜」★★★(BS)
1985年アメリカ 監督:テイラー・ハックフォード
出演:ミハイル・バルシニコフ グレゴリー・ハインズ
   イザベラ・ロッセリーニ イエジー・スコリモフスキー

ソ連からアメリカに亡命した著名なバレエ・ダンサー、ニコライ。彼の乗った旅客機がエンジン不良のためソ連の空軍基地に緊急着陸した。彼はKGBのチャイコ大佐に拘束されてしまう。彼を母国に取り戻そうと画策する大佐は、アメリカから亡命してきた黒人のタップダンサー、レイモンドを監視役につけるが…。第58回アカデミー賞でライオネル・リッチーの歌う「セイ・ユー・セイ・ミー」が歌曲賞を受賞。

ソ連もKGBも消滅してしまった現在、ある種の懐かしさを覚える。だが、「自由を求める戦い」は今日でも延々と続いている。ここで言う自由とは、芸術、思想などの事である。どんな国でも、大なり小なり権力によってそれらは規制されており、「自由を求める戦い」は普遍的なテーマとして成立するのであろう。

ソ連から亡命した過去を持つM・バルシニコフ。フィクションを越えたリアルな心情が伝わってくる。G・ハインズとのダンスシーンは圧巻であった。

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2005/04/26

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」★★★
2001年アメリカ 監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ジョン・キャメロン・ミッチェル スティーブン・トラスク
   ミリアム・ショア マイケル・ピット

東ベルリンで男の子として生まれたヘドウィグは、恋した米兵と結婚し自由の国アメリカに渡るため、性転換手術を受ける。だが手術は失敗し、彼の股間には“怒りの1インチ(アングリーインチ)”が残ってしまう。晴れて渡米はするが、肝心の夫はヘドウィグの元を去っていってしまう…。

監督・脚本・主演を務めたジョン・キャメロン・ミッチェルが圧倒的な存在感。グラムロック風の音楽が強烈でした。特にプラトンの「饗宴」をヒントに作られたというテーマ曲の「愛の起源」が印象深いです。

しかし、ヘドウィグが歌うところが、ふつうのおじさんやおばさんが食事するレストランチェーンであり、あまりに楽曲とアンマッチ過ぎる。そこにユーモアを感じられず観ていて居心地が悪かった。

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2005/04/16

スクール・オブ・ロック

「スクール・オブ・ロック」★★★(DVD)
2003年アメリカ 監督:リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック ジョーン・キューザック
   マイク・ホワイト サラ・シルヴァーマン

ロックギタリストのデューイは、破天荒な演奏方法がアダとなり、バンドをクビになってしまう。一方、私生活でも家賃の滞納が原因で居候していた親友ネッドのアパートを追い出されようとしていた。そんな時、お金欲しさから代用教員ネッドになりすまし、名門私立小学校の臨時教師の職に就いてしまうが…。

後半の展開にご都合主義的な安易さがあるのが残念。現実はもっとシビアであろう。それでも、共感深く見られるのは、社会人として生活することの退屈さがそれとなく描かれているからでしょう。

そして、権威への反抗を象徴するロックが、本作品のように学校の授業の中で語られ、歴史の1ページになっていくのかという思いもある。

自分の望む人生を過ごせない男が嫌々ながら子供達の面倒を見ることになる。子供達との交流を通じて自分の人生を再生していくドラマは「がんばれ!ベアーズ」(1976)などこれまでにも延々と製作されている。

本作品もその亜流に位置付けられるが、異色なのは主人公のキャラクター造型。ロック狂のジャック・ブラックが凄まじいほどの存在感を見せる。後半になると段々先生らしい顔になっていくところもポイント。

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2005/04/14

フォッグ・オブ・ウォー

「フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白」
(盛岡フォーラム3)★★★
2003年アメリカ 監督:エロール・モリス
(ドキュメンタリー)出演:ロバート・マクナマラ

元アメリカ国防長官のロバート・マクナマラは戦争の世紀と言われた20世紀に政財界の要職に君臨した。80歳を越えた今、かつての経験から自らが導き出した結論を21世紀への祈りを込め語ってゆく。2003年第76回アカデミー賞でドキュメンタリー長編賞を受賞。

こういうドキュメンタリーを観て、初めて知ることがある。第二次世界大戦では経営の理論を応用し、攻撃の効率向上を図れたこと。その延長線に東京大空襲や原爆があったこと。歴史的事件の当事者の証言として、記録に残すことはそれなりに価値があるし興味深い点もある。

だが、釈然としないものが残るのは何故だろう。今のアメリカに、この「11の教訓」が生かされていないこと。そして、マクナマラが当事者であるにも関わらず、まるで他人事のように責任ある発言に聞こえない点にあるのではないか。

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2005/04/03

サンダーバード

「サンダーバード」★★★(DVD)
2004年アメリカ 監督:ジョナサン・フレークス
出演:ビル・パクストン アンソニー・エドワーズ
ソフィア・マイルズ ベン・キングズレー

億万長者で元宇宙飛行士のジェフ・トレイシーは、謎の無人島を拠点に4人の息子とともに国際救助隊サンダーバードを組織し、世界中の災害救助活動に当たっていた。5男で14歳のアランは年少のため隊への加入を認められなかった。ある日、サンダーバードに怨みを持つフッドが基地を襲撃するが…。

この実写版では国際救助隊の活躍というよりも、番外編のような子供達を中心にするドラマ展開に批判が多く集中しているようである。

まぁ、最低限それを認めたとしても、私が納得できないのはクライマックスで超能力者同士の戦いにしてしまった事。これならサンダーバードである必然性はない。オリジナルメカの活躍をもっと見たかった。

オープニングタイトルのサイケ調なアニメーションが良かった。

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2005/03/31

ケミカル51

「ケミカル51」★★★(DVD)
2002年アメリカ イギリス カナダ 監督:ロニー・ユー
出演:サミュエル・L・ジャクソン ロバート・カーライル
    エミリー・モーティマー リス・エヴァンス

薬理学者の夢を断たれ、ドラッグ精製人に身をやつしたエルモ。開発したばかりのドラッグ"POS51"の直取引のため、ボスを裏切りロサンゼルスからリヴァプールに渡る。だが、ボスが放った殺し屋によって取引が妨害される。彼はチンピラのフィーリクスと組んで、取引を進めようとするが…。

原題が“The 51st State”と言うことで、イギリスはアメリカの51番目の州ではという皮肉になっている。が、そこでイギリスらしさというのは何かというと、自動車の走行車線が違うとかサッカー狂であるという事が挙げられているぐらいで、アメリカ人に対する敵愾心のみが強調されている。そこら辺をもう少し詳しく描いて欲しかった。

ロバート・カーライルは本当にこういう役柄がよく似合う。キャラクターに真実味を感じます。1990年代後半、元気だったイギリス映画を支えた一人であることを再認識します。

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