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2010/01/26

懺悔

製作年:1984年
製作国:ソ連
監 督:テンギズ・アブラゼ

何故、独裁政治が罷り通ってしまうのだろうか。勿論、独裁を強いるだけの強制力を備えた軍事権力を掌握しているから、誰も逆らえなくなってしまうのであるが、そこに到るまでの道を用意しているのは一般大衆であることがなんとも皮肉的である。英雄として持ち上げながら、手痛いしっぺ返しを喰ってしまう。

ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンという悪名高い独裁者の特徴を寄り集めたヴァルラム市長(アフタンディル・マハラゼ)も、その一人である。ただ、本作品を見ていて気になったのは、独裁政治の犠牲になったのは、ケテヴァン(ゼイナブ・ボツヴァゼ)一家だけではなかっただろうに、他から非難の声があがってこないことである。葬儀は盛大に行われ、参列者たちは大いに嘆き悲しむのである。ケテヴァンが裁判で、自らの悲劇を語り始めて驚くことになるのであるが、そんな独裁者っているのであろうか。

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» mini review 10437「懺悔」★★★★★★★★★☆ [サーカスな日々]
ソビエト連邦時代のスターリンによる恐怖政治を彷彿(ほうふつ)とさせる、時代の独裁者に翻弄(ほんろう)されたある家族の悲劇と告発を描く一大叙事詩。独裁者を偉大な支配者と呼び、痛ましい真実からは目を背ける独裁政権のあり方を真正面からとらえた。監督はグルジア映画界の巨匠、テンギズ・アブラゼ。ソビエト連邦崩壊前の1980年代に公開されて話題になり、1987年のカンヌ国際映画祭でも審査員特別賞を受賞。極めて社会性の高いテーマを扱いながら、幻想的で芸術的な描写で観る者に深い余韻を残す作品に練り上げた。[もっと詳... [続きを読む]

受信: 2010/02/05 23:55

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