フェイク シティ ある男のルール
製作年:2008年
製作国:アメリカ
監 督:デヴィッド・エアー
いかにもジェームズ・エルロイが生み出した主人公である。トム・ラドロー(キアヌ・リーヴス)は、“LA暗黒四部作”の中で登場したとしても、何の遜色もない男だ。浮気している最中に容体が急変し、病院の前に投げ捨てられたまま死んでしまった妻の存在。この過去を消し去るが如く、トムは犯罪捜査にのめり込んでいく。“正義のためには手段を選ばない一匹狼”というありきたりな男ではないのだ。
妄執にとらわれたまま危険な事件を解決していくが、それが何の助けになっていないところが空しい。周囲の情勢も見極められず、かつてのパートナー、テレンス・ワシントン(テリー・クルーズ)を誤解したまま見殺しにしてしまう事態に。そこで、彼の心の中で何かが目覚める。誰も望まない事件の捜査に猛進していくのだ。最後にたどりつく答えは、大概の観客が予感していたとおり、意外性はない。ただ、その黒幕も妄執にとらわれた男であり、このあたりもやはりエルロイらしいと思った。
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