« 沈まぬ太陽 | トップページ | 懺悔 »

2010/01/26

ボヴァリー夫人 ディレクターズ・カット版

製作年:2009年
製作国:ロシア
監 督:アレクサンドル・ソクーロフ

理想と現実のギャップ。こんな筈ではなかったという思いはどんな人の胸にも溜まっているだろう。その現実を乗り越えようと、自らの能力を振り絞り努力を続けていけば、例え失敗したとしても美談となる。だが、自分では何もせず、他者の力(家族の貯蓄や借金)を使って、理想を得ようとすればどうであろう。例えわずかな金額であろうと、他者の力に手をつけたところから破滅への道が始まっていると言える。一度、アクセルを踏んでしまえば、そのスピードに魅惑されブレーキの存在すら忘れてしまうからだ。

本作品の主人公、エマ・ボヴァリー(セシル・ゼルヴダキ)もその一人であった。飽き足らない家庭生活。押えきれない都市生活への憧れ。留まることのできない情事や浪費。簡単に得るものは簡単に失っていく。どんなに理想を追い求めていても、彼女自身は幸福感を得ることはなかったのであろう。エマは満ち足りるということを知らないまま苛烈な生涯を閉じる。人としての生きかたとは何かということを思考させ、深く感銘を受ける。

|

« 沈まぬ太陽 | トップページ | 懺悔 »

製作年:2009年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/47392968

この記事へのトラックバック一覧です: ボヴァリー夫人 ディレクターズ・カット版:

« 沈まぬ太陽 | トップページ | 懺悔 »