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2009/06/24

レスラー

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製作年:2008年
製作国:アメリカ
監 督:ダーレン・アロノフスキー

人は大切な何かを諦めたとき、大人になるのだと思う。生活のため、現実のため、不運のため、自ら描いた夢を消し去る岐路に立たされるときがある。それを受け入れて大人になるか、拒絶して夢を追い続ける子供のままでいるか。ランディ(ミッキー・ローク)は、80年代に頂点を極めた一流プロレスラーであった。だが、20年後の今はどうだ。老体に鞭打ちながら小さな地方興行に出場し現役を続けている。金銭にも困り、トレーラーハウスからも締め出されてしまう始末である。しかし、ついに心臓発作で倒れてしまい、引退を受け入れなくてはならない。

その間にも、分岐点は何度かあったことだろう。しかし、プロレス以外の生き方を拒否してきたと思われる。娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)やキャシディ(マリサ・トメイ)との距離の縮め方も、あまりに性急すぎる。そのために大切な関係も破綻してしまう。現実社会で生きるにも見えないルールがあり、それを学ぶ機会を逸してしまったのだ。自己憐憫の中、再びリングに向かうランディ。彼は、最後までレスラーの夢を追い求め、現実社会を拒絶した子供である。その選択を嘆くことなく殉じていった男である。だから、幕切れのダイビングが清々しく感じるのだ。

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コメント

レスラー人生もピークを過ぎ、娘とは絶縁状態、ステロイドの影響で心臓は弱っているありさまの中年レスラー ランディー。

娘さんとの約束すっぽかすのは さすがにマズイよ~(´Ц`)

自分には「この場所しかない」不器用な生き方しかできないランディーは やはり 悲しい男です。

投稿: zebra | 2011/09/27 02:29

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