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2009/05/09

四川のうた

製作年:2008年
製作国:中国/日本
監 督:ジャ・ジャンクー

滅び行くものは、どうしてこれほどまでにもの哀しいのだろうか。都市再開発のために閉鎖される工場など、日本でもよく見られる風景である。無骨で素っ気無い工場跡など、アクション映画やホラー映画の舞台になるくらいしか思い浮かばなかったが、ジャ・ジャンクー監督の手に掛かるとこれほど詩情豊かな場所に変わってしまうから驚きだ。工場で日々働くひとりひとりにそれぞれ喜怒哀楽のドラマがあり、失われた時間を思うと静かに胸を打つものがあります。夢の残滓が次々と浮かんでは消えていき、押し黙った横顔には深い感銘を受けました。

何も知らないで見ればドキュメンタリー映画だと思ってしまいますが、ジャ・ジャンクー作品ではお馴染みのチャオ・タオも出演しており、虚実の境界線がしっかり定まっていない。だからこそ真実味あふれる感情の揺らめきを表現できているのだと感じた。

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