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2009/05/05

子供の情景

製作年:2007年
製作国:イラン/フランス
監 督:ハナ・マフマルバフ

イラン映画界の巨匠モフセン・マフマルバフ監督の娘として、幼少の頃から映画環境の整った生活を送ってきたことがあるにしても、19歳でこれだけ作家性の強い作品を撮りあげたハナ・マフマルバフ監督には感服した。最初と最後に繰り返し挿入されるバーミヤン石仏の爆破シーン。ユネスコ世界遺産にも登録された遺跡を破壊したタリバンに対して、世界は非難の声をあげたが、そこで暮らし人々に対してどれほどの関心を持っているのか。

学校に行って勉強したいという6歳の少女バクタイ(ニクバクト・ノルーズ)のひとつの希望。それに立ちはだかる様々な障壁。彼女は誰の力も借りず、一人で乗り越えていこうとする。最も大きな壁が戦争ごっこに興じる男の子たちだ。テロ戦争によって世界はタリバンを掃討しようとしたが、その勢力は決して弱体化していない。そんな中、彼らがタリバンを名乗ることに震撼する。アメリカを敵対視し、処刑ごっこを繰り返す。その目は決して遊びとは思えない狂信的なものだ。“自由になりたかったから死ぬんだ”をいう台詞も心に深く突き刺さる。これがアフガニスタンの現状なのか。知るべきことは多い。

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コメント

少年たちは木の枝を銃に見立てて、そして口で銃声を発していたんですが、大人になるとそれが本物に変わるんですよね。
子供は大人を映す鏡だということを痛感しました。
別に理想論を語るつもりはないのですが、力では解決しないですよね。やっぱり子供の時からの教育なんだろうなぁ・・・。

投稿: KLY | 2009/05/06 00:32

KLYさんへ

コメントありがとうございます。

学校に行くべく一人微笑ましく奮闘する前半と違い、
男の子たちの戦争ごっこの後半から暗転する感じだったですね。

ショックだったのは、洞窟の中に紙袋を被らされた女の子も
複数いたことです。

あんなふうに自由を制限することが当たり前のようになって
しまう世界は、真に恐ろしいと思います。

教育ということがいかに大切か考えさせられました。

投稿: Stardust | 2009/05/06 18:48

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