おと・な・り
製作年:2009年
製作国:日本
監 督:熊澤尚人
防音設備の整っていない古いアパートから伝わってくる隣人の生活音。その音に苦情を訴えるのであれば、珍しくもないが、互いの孤独に安らぎを与える存在となっている設定がまず面白い。そんなこれまでにない発想から生まれた脚本。常識に縛られない視点からユニークな恋愛映画が誕生した。その世界を成り立たせているのが、氷室(岡田義徳)が七緒(麻生久美子)に語る“基調音”の話である。人それぞれ無意識の内にも求めている基調音があるとすれば、それを手にすることが幸福への道ということになる。
七緒と聡(岡田准一)がいかにして出会っていくのかがドラマの焦点であるけれど、メロドラマの定石どおり、すれ違いの連続だ。互いの夢を叶えようとして海外へ飛び出そうとする二人。いささか作為的ではあるけれど、電話のシーンで観客にあっと言わせた驚きの演出もなかなか良かった。
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