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2009/03/13

シリアの花嫁

製作年:2004年
製作国:イスラエル/フランス/ドイツ
監 督:エラン・リクリス

イスラエル占領下のゴラン高原。複雑な中東情勢というのはニュースでよく聞く言葉でありますが、本作品を見ることで、その意味を改めて教えられました。自由に行き来できないため、写真でしか見たことのない相手に嫁ぐということ。しかも、一度シリア領に渡ってしまえば、二度と故郷に戻ることができなくなってしまうということ。結婚は家族との永別でもあるということなのだ。仮に結婚に失敗したとしても実家には戻ることはできない。結婚を決めるまでに相当の覚悟がいることだろう。

それなのに、いざ軍事境界線を越えようとすると、通行証の手続きトラブルで立ち往生を余儀なくされる。なんとも不条理な話であるが、これこそ現実ということか。こうした背景だけでも見ごたえのある作品であるが、それだけで終わっていないは花嫁モナ(クララ・フーリ)の姉ラウルのドラマでもあるからだ。境界線とは何も国境だけを意味するのではない。自分の望む場所に行けない自由の制限は家族の中にもあることを明らかにし、より奥深い映画に仕上がっている。

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