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2009/03/18

いのちの戦場 アルジェリア1959

L_ennemi_intime2

製作年:2007年
製作国:フランス
監 督:フローラン・シリ

これまで様々なフランス映画の中で、アルジェリア戦争帰りという登場人物が出てきたが、どこか暗い影を帯びているところが共通していた。そのアルジェリア戦争を舞台とした映画では、ジッロ・ポンテコルヴォ監督の「アルジェの戦い」(1965)や、マーク・ロブソン監督の「名誉と栄光のためでなく」(1966)があるらしいが、共に未見であり、なかなか実感する機会が少なかった。何より、60年代以降、それに関した作品が作られなかったことからも、相当タブー視されていたのだろうと感じられる。

そのアルジェリア戦争を真正面から描いた本作品は、並大抵でない熱気を感じる秀作であった。第二次世界大戦以降、軍隊同士が正面からぶつかる戦争は影を潜め、局地的なゲリラ戦が主流となっていく。一般民間人の中に紛れた相手との戦いが、いかに兵士たちを疲労し消耗していくのか。簡単に正邪を分けることのできない戦い。兵士の人間性は粉々に砕け散ってゆく。その過酷さはべトナム、イラク、アフガニスタンの戦場へ続き、いまなお絶えることがないのである。

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