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2009/02/22

ロルナの祈り

製作年:2008年
製作国:ベルギー/フランス/イタリア
監 督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ

何も考えず楽しめる映画もあるが、本作品は全く逆。神経を集中して必死に画面を見ていないと、取り残されてしまうのだ。例えば、この場面。国籍を取得するため麻薬中毒者クローディ(ジェレミー・レニエ)と偽装結婚したロルナ(アルタ・ドブロシ)。最初は疎ましく感じながらも、懸命に麻薬から足を洗おうと苦しむ姿を見ていつしか情が移ってくる。禁断中毒で苦しむ時、裸身を投げ出して止めるロルナ。

だが、次のカットでは、もうクローディは亡くなっているのだ。一体、この間に何があったのだろう。しかも、この間にロルナは確実に変わっている。それまでとは真逆とも思える方向に進んでいくからだ。この省略を埋めるべき働かさなければならない想像力。それを不親切とみるか、特異な表現とみるかで、本作品の評価は変わっていくと思う。

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» 『ロルナの祈り』 [ラムの大通り]
-----これって『ある子供』のダルデンヌ兄弟の作品だよね。 またまたカンヌで話題になったんだって? 「うん。2度のパルムドールを含む4作連続主要賞受賞。 なるほど、カンヌはこういうの好きなのかって感じ」 ----彼らの映画って、 いつもまったく音楽がないんだよね。 「いや、まったくないというわけではないよ。 いわゆる劇伴も含めて映画音楽がないというだけ。 たとえば、だれかがかけたCDとか、 酒場で流れている音楽とかは、 そのまま映画に取り入れている。 ところが、そんなダルデンヌ兄弟が 今回はエンデ... [続きを読む]

受信: 2009/02/23 00:01

» ◇『ロルナの祈り』◇ ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2008年:ベルギー+フランス+イタリア合作映画、ジャン=ピエール、リュック・ダルデンヌ監督&脚本、アルタ・ドブロシ主演。 [続きを読む]

受信: 2009/03/26 12:35

» ロルナの祈り☆彡LE SILENCE DE LORNA [銅版画制作の日々]
 この愛だけを、私は信じる。 ベルギーから届いた、愛の奇跡。 5月9日から、RCS(京都みなみ会館)にてロードショー開始。東京では1月末から公開され、ようやくこちらにやってきました。まったく鑑賞前にチェックもせず・・・・。観た本作はかなり衝撃的な内容でした。 偽装結婚?!って・・・・。それって犯罪違うの?ところが、そうしなければならない理由があった主人公ロルナ(アルタ・ドブロシ)。彼女は故郷アルバニアでの貧しく辛い生活から逃れてベルギーにやってきたのだった。彼女には密かな夢があった。それは故郷... [続きを読む]

受信: 2009/05/16 18:54

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