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2008年10月

2008/10/28

ブーリン家の姉妹

製作年:2008年
製作国:イギリス/アメリカ
監 督:ジャスティン・チャドウィック

以前、「エリザベス」(1998)を見ていて、エリザベス1世が即位するまで、どうしてこれほどの過酷な扱いを受けていたのか疑問に感じておりましたが、本作品を見て納得。その母アン・ブーリン(ナタリー・ポートマン)がいかにして王妃への道を突き進んでいったか。その過程を見れば、恨みを買うのも当然と思う次第です。未見の「1000日のアン」(1969)も、俄然、見てみたくなりました。歴史劇としてはなかなか興味深かったですが、姉妹の愛憎劇としては物足りなかった。

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2008/10/23

イントゥ・ザ・ワイルド

製作年:2007年
製作国:アメリカ
監 督:ショーン・ペン

人生は皮肉に満ちている。帰れる時には帰らず、帰りたい時には帰ることができない。クリス(エミール・ハーシュ)の選んだ行動は、“純粋”とも“無垢”とも言えるし、“無知”とも“無謀”とも言える。その双方が合い混じり、彼が望んだものとは違う結末を迎える。そのことに批判を加えることは容易い。しかし、彼が最後に抱いた実感こそ、我々が真に耳を傾けなければいけないものだろう。そうした境地を抱くことができただけでも、価値ある生涯であったと思う。

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2008/10/22

しあわせのかおり

製作年:2008年
製作国:日本
監 督:三原光尋

失ってこそ、得るものがある。いくら王さん(藤竜也)の料理に魅了されたからといっても、シングルマザーの貴子(中谷美紀)が会社をやめて、病気で倒れた王さんの後継者になるべく、弟子入りを志願するというのは、現実離れしている。その粗筋に説得力を持たせるのは、互いの家族写真である。家族のいない孤独感が、互いを引き寄せあい、擬似家族を形成していく。中谷美紀の演技が重た過ぎる気もするが、おいしそうな上海料理に目が奪われる。

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2008/10/13

トウキョウソナタ

製作年:2008年
製作国:日本/オランダ/香港
監 督:黒沢清

突然、吹き込んできた風、そして、雨。急ぎ窓を閉め、濡れた床を拭く妻・恵(小泉今日子)。本作品は、この場面から始まる。家庭を守るということは、こうした行為の繰り返しであるのではないか。人が生きていく限り、必ず凶事は起こる。避けることはできない。大切なのは、その時にどう対処するかである。佐々木家では恵がその役を一人でこなしてきた。だが、彼女は倦み疲れてしまう。その疲労感と空虚感を小泉今日子が絶妙な表情を浮かべて表現しているが、問題は、彼女のそうした心情を家族が分かっていないことである。リストラ、米国入隊、ピアノ教室。それぞれの秘密が手一杯で、彼女を思い遣る余裕がない。家族崩壊の危機とは、こうしたところから始まっていくのであろう。

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2008/10/09

アイアンマン

製作年:2008年
製作国:アメリカ
監 督:ジョン・ファヴロー

自社の兵器によって襲撃を受けた武器商人トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。そのことで、激しく衝撃を受けるというのは、あまりにナイーヴすぎる気もするが、アフガニスタンの反政府組織に武器援助を続けたアメリカの暗喩と見ることもできる。そして、兵器製造の中止を宣言するものの、止めることができないアメリカの産業構造も興味深く感じた。それにしても、スキャンダルにまみれていたロバート・ダウニー・Jrがアメコミのヒーローを演じて、それが大ヒットしてしまうとは。こういうことがあるから、映画界は面白いと思う。

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2008/10/07

コロッサル・ユース

製作年:2006年
製作国:ポルトガル/フランス/スイス
監 督:ペドロ・コスタ

何も前情報を知らずに見たので、本当に驚きました。年老いた男ベントゥーラが、何故、街をさすらっているのか。何故、妻は出ていってしまったのか。彼は正気なのか、狂気の中にいるのか。分からないまま、1シーン1カットの会話劇が延々と繰り返される。155分という長い上映時間は、だんだんと苦痛に思えてくる。その裏側には、リスボンという街をいかに知らないか実感するような内容だったからだと思う。スラム街と新興住宅地の対比の意味が分かるようであれば、また感じ方も違っていただろう。静謐でありながら、まるで絵画を見るような力強い構図の映像は圧巻でした。

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