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2008/08/29

歩いても 歩いても

製作年:2007年
製作国:日本
監 督:是枝裕和

傑出した脚本である。何気ない会話のやり取りを通して、横山家に何があり、何が起きつつあるか分かる構成である。微妙な間やさりげない眼差しによって、登場人物たちの感情が生々しく伝わってくる。ここが評価の分かれ目かもしれないが、この一日を通して、誰が成長したり、ぎくしゃくしている家族関係が劇的に変化したりする訳でないのである。それが映画として物足りないということになるかもしれないが、私はそうとらない。様々な問題が観る者には明らかとなるが、登場人物たち全員が知っているわけではないのである。それぞれの問題を胸に秘めたまま明日へ進んでいく。それだけに、よりリアルな感情を共有できるのだと思う。ぞっとするような悪意のある言葉を穏やかに語る母親役の樹木希林が素晴らしい。「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(2007)の時にも感心したが、このところ重量感のある芝居を見せてくれる。「いつも、ちょっとだけ間に合わない」という台詞も蕭然と心に残る。

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ホント親孝行したいときには親はなしなのですよね・・実家から離れて暮らす人ならきっと思うはず、故郷の山に向かいて言うことなし・・親子断絶の物語・・ 或る夏の日、台所に集う母(樹木希林)と娘(YOU)、緩やかに流れる時の中でテキパキと動く母... [続きを読む]

受信: 2008/09/06 00:06

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