« 題名のない子守唄 | トップページ | タロットカード殺人事件 »

2008/07/10

靖国 YASUKUNI

製作年:2007年
製作国:日本/中国
監 督:リ・イン

ドキュメンタリー映画を見る醍醐味というのは、知っているようで知らない事実を教えてもらうことにある。靖国神社というテーマも、日本人監督では作り得ることのできないタブーであるだけに、興味深く見る。だが、そういう意識で見始めると、拍子抜けしてしまう。確かに、8月15日に靖国神社で何が起きているのか、初めて知る風景ばかりで、圧倒される。その一方で靖国神社とは何なのか、その精神構造については、表層的しか描かれておらず、何も掴むものがなかった。意外なくらい「靖国刀」を作る刀匠・刈谷直治の映像やインタビューが多用されている。何故か。この作品は靖国神社を深く解明する内容ではなく、靖国が象徴するものは何かを考察した映画なのだ。靖国神社、天皇制、刀。このキーワードから見えてくるのは、二面性である。戦争というものは、国と国の利害が衝突し、経済的理由で起きるものだ。だが、戦場で死闘を繰り広げる兵隊や残された家族たちにとって、そんな理由では動かせない。お国にため、天皇陛下のためという宗教的理由が必要となってくるのだ。靖国神社のご神体として崇め奉っている刀の本質は、100人斬りをも行える殺戮兵器である。そうしたことを大いに考えさせられた。

|

« 題名のない子守唄 | トップページ | タロットカード殺人事件 »

製作年:2007年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/41791998

この記事へのトラックバック一覧です: 靖国 YASUKUNI:

« 題名のない子守唄 | トップページ | タロットカード殺人事件 »