赤い文化住宅の初子
製作年:2007年
製作国:日本
監 督:タナダユキ
「誰かに助けられことを期待するな」。とても教師には見えないルーズな田尻(坂井真紀)が異彩を放つのは、この台詞を初子にぶつける場面である。父親は蒸発、母親は死去、高校を退学し就職した兄と二人暮しの初子の生活は困窮を極めている。その状況を生き抜くためには、様々な夢を断念しなければならないのであるが、初子にはその覚悟ができていない。それを求めるのは酷なことではあるが、その逡巡が彼女の表情を暗くしている。それは兄も同様である。労り合わなければならない二人なのに、刺々しい関係が続く。それを乗り越える機会はさらなる災いによってであった。他者を期待する心は、こうして消散していく。
| 固定リンク
「製作年:2007年」カテゴリの記事
- 歩いても 歩いても(2008.08.29)
- スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2008.02.07)
- シルク(2008.06.29)
- 図鑑に載ってない虫(2008.07.05)
- ジェイン・オースティンの読書会(2008.07.25)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/41478016
この記事へのトラックバック一覧です: 赤い文化住宅の初子:

コメント