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2008年3月

2008/03/31

消えた天使

製作年:2007年
製作国:アメリカ
監 督:アンドリュー・ラウ

闇を覗けば、闇に飲み込まれる。無私な心は、いつしかズタズタに切り裂かれてしまう。単にリチャード・ギアは悪徳調査官であるわけでない。絶え間ない裏切りの行為を目の当たりにして、人を信じる心を失ってしまっている。まさに執りつかれてしまったように、犯罪行為から目が離せなくなってしまう。彼の非道をなじるのは容易い。それでは、犯罪を未然に防ぐには、どうしたらいいのか。あまりに無力な世界に滲む暗鬼。「インファナル・アフェア」シリーズのアンドリュー・ラウ監督が、ハリウッド進出した作品として記憶しておきたい。

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2008/03/28

22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語

製作年:2006年
製作国:日本
監 督:大林宣彦

優しさと自信のなさは、全く違うものである。彼女の幸福のために身を引くという言い訳は、望まぬ結果を見たくないという恐怖以外の何物でもない。一歩前に踏み出せない男の前に現れた女性。そのシーンが、まるでホラー映画のようなタッチで描かれているのが興味深い。「22才の別れ」を歌う女は、男にとってまさに幽霊であった。過去の逡巡を乗り越えられることができるのか。彼の過去と重なる若きカップルの姿から、再生の道が浮かび上がる。

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2008/03/24

4分間のピアニスト

製作年:2006年
製作国:ドイツ
監 督:クリス・クラウス

最後のコンテスト・シーンが圧巻である。果たして、ジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)は、どんな演奏を行うのか。固唾を飲んで見守るが、果たして予想を裏切るものであった。それまでの生涯の鬱積をすべて吐き出すような激しさ。そして、胸に焼き付く幕切れ。このために、様々な布石が打たれていたのだ。ありきたりな再生物語に収まらない、強烈な印象を残す。

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2008/03/22

キャンディ

製作年:2006年
製作国:オーストラリア
監 督:ニール・アームフィールド

ありきたりなサスペンス映画よりも、手に汗握るハラハラ感を味わった。キャンディ(アビー・コーニッシュ)の妊娠を機に、本気になってドラッグを止めようとするダン(ヒース・レジャー)。その禁断症状に苦しみながら、何とか耐えようとする。その場面が堪らなかった。やめられるときには、やめようとしない。やめたいときには、やめることができない。キャスパー(ジェフリー・ラッシュ)の、この台詞も重々しく胸に残る。

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2008/03/20

エンジェル

製作年:2007年
製作国:イギリス/ベルギー/フランス
監 督:フランソワ・オゾン

「作家としては認めないけれど、一人の女性としては認める」。ハーマイオニー・ギルブライト(シャーロット・ランプリング)にそう言わせるのは、自身が編集者の妻という肩書きしかないことへの無意識的な不満を、エンジェルによって気付かされたからではないか。二人の接点は、さほど設けられていないが、対照的な人物として、異彩を放っている。フランソワ・オゾン監督の系譜であれば、「8人の女」(2002)につながるハリウッド・クラシックを彷彿させる作品であった。ファースト・シーンからラスト・シーンまで、そうしたイメージに重なるショットの連続。美術も素晴らしく、重厚な雰囲気が伝わってくる。

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2008/03/18

アンフェア the movie

製作年:2007年
製作国:日本
監 督:小林義則

テレビドラマを見ていないので、登場人物たちの背景や性格趣向が分からないハンディもある。それでも雪平夏見(篠原涼子) のクールな佇まいこそ最大の魅力だろうと思って見始めるが、あっさり裏切られる。自家用車が爆弾テロに合い、娘の美央(向井地美音)が負傷してから、絶叫型の感情再優先の人物になってしまう。病院テロの攻防戦の顛末も、あまりにお粗末であるが、この主人公の変貌ぶりこそ最大のマイナス・ポイントである。

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2008/03/16

AVP2 エイリアンズVS.プレデター

製作年:2007年
製作国:アメリカ
監 督:コリン・ストラウス/グレッグ・ストラウス

ともに進化したエイリアンとプレデターがアメリカの片田舎で壮絶な戦いを繰り広げる展開するいい。だが、エイリアンの人間への襲撃が同じパターンで何度も繰り返されるので、後半に入ると飽きてしまった。人間側のドラマも厚みがなく、人物造形に深みが生まれない。

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2008/03/15

転校生 さよならあなた

製作年:2007年
製作国:日本
監 督:大林宣彦

自作の代表作をリメイクすると言えば市川崑監督が有名であるけれど、大林監督も果敢に取り組んだ一作。市川監督は前作とほとんどシナリオを変えずに撮ったが、大林監督は大胆に設定を変えている。その変更がリニューアルのポイントになるのであろう。そのままそれが本作品の評価に繋がると思う。「さよなら、あなた」「さよなら、おれ」の台詞を際立たせるための設定なのであろう。それはそれで悪くないとは思うが、やはりあざといという感じも残る。

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2008/03/14

ある結婚の風景

製作年:1974年
製作国:スウェーデン
監 督:イングマール・ベルイマン

本作品の続編となった「サラバンド」(2003)を先に見ている。だから、幸福な結婚生活を続けているとインタビューから始まっていくヨハンとマリアンヌ夫妻が、どういう結末を迎えるか分かっている。中盤から、徹底して夫婦だけのディスカッション・ドラマになっていくが、その言葉の行き先がどこに行くか分からないので、とてもスリリングであった。もっとも印象深いのは最後のエピソード。これがあるから続編に繋がっていくのだと納得した。

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2008/03/12

その名にちなんで

製作年:2006年
製作国:アメリカ/インド
監 督:ミーラー・ナーイル

一度、なくした命。不人情な息子ゴーゴリ(カル・ペン)の振る舞いに対して、母親アシマ(タブー)ほど、アショケ(イルファン・カーン)が怒りを見せないのは、その後の人生を、すべて贈り物と感じているからだろう。他者に対して、過剰な期待はしない。それはそれで、潔い生き方であると感じる。

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2008/03/05

犯人に告ぐ

製作年:2007年
製作国:日本
監 督:瀧本智行

どうも見ていて危なっかしく感じるのは、巻島(豊川悦司)の生放送のニュース番組を使った犯人への挑発が、どこまで計算されて行っているのか分からないからである。犯人を追い詰めていく手段としては穴があり過ぎる。警察幹部やニュースキャスターの思惑のぶつかり合いも、あまり効果的でないように思える。

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2008/03/02

陰日向に咲く

製作年:2008年
製作国:日本
監 督:平川雄一朗

台風の夜、全く関係のないような男女の人生が、不思議な縁によって交錯していく群像ドラマ。この種の映画は大好きなのでそれなりに良かったとは思う。だが、惜しまれてならないのは、シンヤ(岡田准一)や寿子(宮崎あおい)たちとみゃーこ(平山あや)とゆうすけ(塚本高史)たちのエピソードが最後まで平行線のままであったこと。様々なレビューを読んでみると同様の指摘が多々あった。誰もが感じることなのに、なんとかならなかったのか。脚本をもう少し練ってから製作して欲しかった。

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