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2008/01/10

めがね

製作年:2007年
製作年:日本
監 督:荻上直子

賛否両論出ているようであるが、断然、私は支持したいと思う。荻上直子監督の表現方法は、前作の「かもめ食堂」(2005)より、さらに粗雑物を取り除き、一段と洗練されてきていると感じる。台詞や小道具を巧みに反復することで強調させ、具体性のある情報は盛り込まれていない。そのため、リアリズムを越えて寓話性が高められている。

普通に考えればおかしな描写もたくさんある。例を挙げていくと、あんな接客態度で宿ハマダの営業が成り立つのであるか。あまり交通の便も良さそうでない離島なのに、サクラさん(もたいまさこ)のメルシィ体操へどうしてあれだけの子供たちが集まってくるのか。地元に住んでいるハルナ(市川実日子)が他のホテルや空港への道を分からないでいるか。それらをおかしいと言って糾弾するのは容易い。だが、そうしたことは百も承知で、荻上監督は、こうしたエピソードを取り入れているように思える。

このハマダを中心とした世界は、現実にはありえないひとつの異界となっているのだ。そこでの生活を通して、心身疲労の都市生活者たちが、豊かな自然のある地方に行っても癒されとは限らないというテーマが鮮明に浮かび上がってくる。

都市生活へつながるしがらみを、いかに絶つことができるかということである。その象徴としてトランクが絶妙に使われている。「かもめ食堂」でも印象深く使用されていたが、トランクを置いていくことで、タエコ(小林聡美)は大きな転機を向えたのであった。

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