ボーン・アルティメイタム
製作年:2007年
製作国:アメリカ
監 督:ポール・グリーングラス
原 作:ロバート・ラドラム
出 演:マット・デイモン ジュリア・スタイルズ
デヴィッド・ストラザーン ジョーン・アレン
「ザ・シューター 極大射程」(2007)を見たときにも感じたことがある。愛国心に満ち溢れた若者が当局に裏切られ、孤独な戦いを続けるという物語が、9・11以降のテロ戦争が続くこの時代に製作されるということに、何か隠された意図があるような気がしてならない。
勿論、敵は外になくなく、味方の中にあるというプロットは、これまでのアメリカ映画で繰り返し描かれてきているものである。目新しさはないかもしれない。が、イラク戦争の根拠自体が、まったく誤認であったことが明らかになった今、こうした国家当局への怒りをぶつけるような映画が多作されていることに何か意味があると思えてならない。
アメリカは自由を標榜する民主主義国家という表の顔がある一方で、意にそぐわない存在には暗殺や謀略を使って排除しようとする強権国家という裏の顔もある。そうした裏の勢力を果敢に批判するべく、自国の腐敗をテーマに映画を製作しているということもあるだろうが、それだけだろうか。
本作品にしろ「ザ・シューター」にしろ、陰謀勢力が呆気なく主人公たちに敗れ去られていくのは、あまりに安易すぎる。勧善懲悪という分かりやすいドラマに仕立て、観客の目に見えない不平不満を、ある種、ガス抜きしているのではないだろうか。そのために真に批判を受けなければいけない勢力の隠蔽に、こうしたアクション映画は利用されているような気がする。CIAのような諜報機関を悪者にしておけば、誰もが納得する。それでいいのだろうか。
| 固定リンク
「製作年:2007年」カテゴリの記事
- 図鑑に載ってない虫(2008.07.05)
- アイム・ノット・ゼア(2008.07.03)
- トランスフォーマー(2007.09.03)
- あしたの私のつくり方(2007.09.18)
- シルク(2008.06.29)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/17628303
この記事へのトラックバック一覧です: ボーン・アルティメイタム:

コメント
遅くなりましたがあけましておめでとうございます!
この作品、私はあまり深くは考えずに観ておりましたので好きなのですが
なるほど・・そういう深い見方をすると「そうだなぁ」と思いました
どうぞ、今年もよろしくお願いします
投稿 D | 2008/01/13 09:56