無防備
製作年:2007年
製作国:日本
監 督:市井昌秀
“無防備”というタイトルが効いている。無邪気に振舞っている外側でどんな感情がうごめいているのか、分かったものではない。妊婦の千夏(今野早苗)が、いたずら心で律子(森谷文子)にした行為には唖然。心の傷を隠している律子でなくても、あれは激怒ものであるが、このエピソードは一つの誇張である。
どこまで親しくなれば、心の内を見せられることができるのか。そこには普遍的な尺度はなく、人と人の関係性の中から、探っていくしかない。無防備にさらけ出せば、お互い同士が傷付くことになる。
そして、傷付いた関係性は修復できるのか主題も浮かび上がってくる。律子の夫、礼二(西本竜樹)が、また相当に誇張されて存在する。どうしてあれだけ無関心でいられるのか。人と人が一緒に暮らしている意味とは何か。いろんな問い掛けが生まれてくる。
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