ヘアスプレー
製作年:2007年
製作国:アメリカ
監 督:アダム・シャンクマン
1962年という時代性。公民権法の成立される1964年までの意識の変化がダンスを通して描かれている。人気テレビ番組のダンサーを目指す太めの女子高生の天真爛漫な姿を描いているだけでない構成が、なかなか秀逸であった。
人種差別を行う側の根底には、既得権を侵害される恐怖心である。自分の番組にマイノリティーが増えてくることを、徹底して排除しようとするプロデューサーのベルマ(ミシェル・ファイファー)が、そのシンボルだ。自分の築いてきた世界を守ろうとすればするほど、上滑りするような醜態を見せる。
変わっていくものを拒絶しようとしても、拒絶できないのが時代というものであろう。一つの価値観に縛られない心の豊かさ。一連の騒動からトレーシー(ニッキー・ブロンスキー)が学び取ったことは、それであろう。クライマックスで見せる彼女のヘアスタイルが、ひとつの象徴である。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
最近のコメント