幸せのレシピ
製作年:2007年
製作国:アメリカ
監 督:スコット・ヒックス
人生の転機はどこで訪れてくるか分からない。肉親の事故死という痛ましい悲劇は、巡り巡って自分を大きく変えるきっかけとなった。それが本作品のヒロインである。
人生で起こることは、すべて意味のあることではないだろうか。すべていい結果になるとは限らないが、その哀しみにも何か意味があるのではないかと考え、真摯に生きていれば、別の悲劇を生むことにはならないだろう。
シェフとしては一流の腕を誇りながら、私生活のバランスを崩しているケイト(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)。亡き姉の娘と一緒に暮らすことによって、これまでの生活スタイルが根底から覆されてしまう。
そのことにより、怒りを爆発させる場面がもっとたくさんあるのではないかと予想していたが、さほどではなかった。どこか茫然としているような様子である。
常軌を逸するほど怒りを見せるのは、理不尽なクレームをつけるレストランの客にだけである。彼女は確固たる自己を持ちえているのは、料理の世界だけなのであろう。その他のことには、脆く壊れやすいため、あえて近付かないようにしている。セラピーの中で、料理のレシピを語り続ける冒頭の場面が印象的である。
そうしたアンバランスな精神世界を救ったのが、ゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)とニック(アーロン・エッカート)との擬似家族関係であった。彼女には、他者との距離の取り方を学ぶ機会がなかったのではないか。やはり、セラピーの場で、幼少の頃の家族関係を尋ねられて、頑なに拒絶するところからも、何かあったのだろうと推察される。
重要なのは、そうしたトラウマも乗りこえられるということである。彼女の笑顔から感じ取れるものは多い。
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