製作年:2007年
製作国:イギリス/アメリカ
監 督:デヴィッド・イェーツ
シリーズ5作目にして、もっとも感心した映画になった。ハリー(ダニエル・ラドクリフ)自身が劇中で語っていたとおり、これまでピンチに陥っても、ハリー自身の力というより周囲の仲間に助けられてきた。そのため、物語にカタルシスを感じられず、すっきりしない思いが残り続けてきた。
だが、本作品は違う。クラマックスの攻防は、ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)が直接的に戦っていたのだが、勝敗を決したのは、ハリーの精神力と決断力によるものであった。これが本作品の主題と見事にリンクしている。
善悪を単純に2極化した戦いでないグレイゾーンを設けたために、とてもスリリングで奥深く感じられた。冒頭から続くハリーの苛立ちは、善悪の境界線を彷徨し続けるために起ってくるのだ。
こうしたところは過去の優れたファンタジーシリーズであるスター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リングの各場面を重なって見える。
もっとも印象深いのは、ハリーの父親が学生時代、セブルス・スネイプ(アラン・リックマン)を苛めていたことが明らかになったことだ。人は最初から善でも、悪でもないのだ。生きていく中で、何かに出会い、そのことでどちらかの道へ進まざるを得なくなるのだ。
ハリーにとっては、ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)との戦いがそれに当る。ハリーには知らないことがまだまだたくさんある。戦いの中に掴んでいく真実は、彼をどちら側に進ませるのか。
最近のコメント