ゾディアック
製作年:2006年
製作国:アメリカ
監 督:デヴィッド・フィンチャー
犯人を特定することに混迷を極める難事件。その担当となった警察官が、寝食を忘れて取りつかれたように事件にのめり込んでいく様子。「プレッジ」(2001)のジャック・ニコルソンや「ブラック・ダリア」(2006)のアーロン・エッカートの姿が思い出されてくる。
謎に飲み込まれてしまう警察官なら珍しいことではないが、本作品では、直接事件には関係していない新聞社の風刺漫画家グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)がそうなってしまうのだ。そこが実に興味深い。仕事として行う事件調査は、調査のために要する時間を必ず制限され、どこかで一線を画することができる。
だが、グレイスミスのようにその制限から外れて、事件に没頭してしまうとどうなるのか。それが解決されるのならいい。どんなに時間がかかっても、その時間に比例して喜びや満足感が味わえる。第三者からも称賛を受けるであろう。だが、一生解決されないとすれば、どうであろうか。物語のような鮮やかなエンディングにはならないのだ。
そもそも、彼が事件解決することを誰が望んでいただろうか。その為に家族も仕事も無くしてしまうことに、何の意味があるのだろうか。妄執に囚われてはいけない。
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