レイヤー・ケーキ
製作年:2004年
製作国:イギリス
監 督:マシュー・ヴォーン
イギリスの裏社会を舞台にしたスタイリッシュな群像犯罪サスペンスといえば、傑作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(98)を思い出す。あの錯綜したドラマがクライマックスで見事に収斂していく展開は、本当に見事なものであった。
その製作者であったマシュー・ヴォーンの初監督作品である。自然と比較してしまうが、その事により本作品のマイナスポイントが浮かび上がる。まず結末で、様々な伏線が一つの点へ集まっていくような流れになっていないことである。バラバラのまま、これで終わってしまっていいのかという感じだ。
次々に起こってくる難問をいかに主人公が解決していくのか、それもドラマの焦点であるが、こちらも安易であまりに都合が良すぎる。
そもそも主人公は冷静かつ狡猾なというキャラクターであるので、あっと言わせるような頭脳戦を見せてほしかった。時系列をバラバラにして構成は、一瞬、理解ができなかったが、そういう狙いを理解すると面白くなってくる。全体的に消化不良の感じだが、スピーディーな展開はテンポいい。
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