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2007年4月

2007/04/23

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

製作年:2007年
製作国:日本
監 督:松岡錠司

何を始めても、終わらせないまま中途半端に放置してしまう。模型作成も、仏像模写も、家族運営も、やること全てがそうである。建設途中の東京タワーをバックにした記念写真が実に象徴的である。そんなオトン(小林薫)の姿が鮮明に胸へ残る。

飽きやすい子供のようであるが、完結することの喜びより、何かを終わらせてしまうことの寂しさに耐えられないのではないか。そして、次々に新しい夢を追い求めるのであろう。何かを断念して、一つのことを大切にしようとする覚悟。ボク(オダギリジョー)とオカン(樹木希林)は、その覚悟を持って人生の転機を乗り越えていったのだと思う。

ボクとミズエ(松たか子)の別れた理由が本作品の中では明らかにされていないが、ボクはミズエとの幸せを断念し、何を選んだのだろうと推察された。ボクとオカンが清々しく感じられるのは、そのためだ。

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2007/04/19

ホリデイ

製作年:2006年
製作国:アメリカ
監 督:ナンシー・マイヤーズ

幸せになる方法は、ひとつの考え方にとらわれないことである。そんなことを本作品の主人公2人を見ていて感じる。彼女たちは決して愚かではない。自分が幸せになれない原因は、どこにあるのか、うすうす感じてはいる。

だが、自分はこうあれねばならないという強迫観念にも近い感情に支配されていて、身動きもとれないでいる。そこで、半ば強制的に生活を変える。とにかく、バカンスではなく、自分のアイデンティティを見直すことを決断するのだ。

私はここで行動したことに感銘を受ける。こんな事態に陥る自分はどこか間違っていると分かっていても、改善策を実行できる者は少ない。新しい土地で、新たな生活を続ける中で、自分を否定するのではなく、自分を肯定できる思考法を見つけることができたのだ。

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2007/04/16

ブラッド・ダイヤモンド

製作年:2006年
製作国:アメリカ
監 督:エドワード・ズウィック

生きてきた境遇が全く違う、普通であれば出会うことのない筈の男二人。ある事件をきっかけにして、行動を共にしなければならなくなる。その旅を続けるうちに、少しずつ少しずつ心を通わせていく。

それに平走して、男女間の結ばれない恋愛ドラマも用意されているのは、エドワード・ズウィック監督の前作「ラスト サムライ」(2003)と全く同じ人間関係である。

レオナルド・ディカプリオとジャイモン・フンスーとジェニファー・コネリー、トム・クルーズと渡辺謙と小雪という人物設定が見事に重なっている。ここにこの監督の核となる資質を感じる。

暴かれるダイヤモンド業界の暗部。アフリカ、シエラレオネの内戦の実情。幼少の子供たちを強制的にゲリラに仕立てていく異常性。アクション映画の裏側に秘められた事実の重さにも唖然とするが、それをベースに自分の秘めたテーマを重ねていくズウィック監督の手腕も興味深かった。

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