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2006/11/04

初恋

製作年:2006年
製作国:日本
監 督:塙幸成

終始、降り続く雨。この雨こそがみすず(宮崎あおい)の心象風景であるのだろう。終わることない永遠の哀しみ。「哀しみには時効はない」というナレーションが重々しく響く。

母親に捨てられ、愛のない叔母の家で暮らすみすずが見つけ出す「ジャズ喫茶B」の仲間たち。ここで違和感を覚えるのは、実の兄妹がみんなの前でその事を公表しないことだ。

ずっと別々に暮らしてきた二人が素直に話をしづらいこともあるだろうが、親の世代への反発心で一杯の彼らは、特殊な仲間意識で結ばれており、肉親の情を発露しにくい環境であったのだろうか。そして、みすずの関心は兄(宮崎将)から岸(小出恵介)へと移っていく。

未解決の3億円強奪事件の真犯人は女子高生だったという大胆なプロットは、呆気ないほどインパクトがない。犯行準備や犯行シーンにあまり時間を割いておらず、盛り上がりなく平板に過ぎていく。ただ孤独な少女の思いが真っ直ぐに伝わってくるばかりだ。

みすずは終盤にある発見をする。この辺りは岩井俊二監督の「Love Letter」(1995)を思い出す。この事実を知って彼女は、力強く歩み出していく。

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あなたとなら、時代を変えられると信じていた。 ■監督・脚本 塙 幸成■脚本 市川はるみ、鴨川哲郎■原作 中原みすず(「初恋」、リトルモア刊)■キャスト 宮崎あおい、小出恵介、宮崎将、小嶺麗奈、柄本佑、青木崇高、松浦祐也、藤村俊二 □オフィシャルサイト  『初恋』 母親に捨てられ、友達もいない孤独な女子高生、みすず(宮崎あおい)が、会うことのなかった兄(宮崎将)のいるジャズ喫茶に... [続きを読む]

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