戦場のアリア
製作年:2005年
製作国:フランス/ドイツ/イギリス/ベルギー/ルーマニア
監 督:クリスチャン・カリオン
冒頭での英仏独3人の子供たちの暗誦が効いている。戦争において、自国が絶対的正義であり、敵国は絶対的悪として殲滅しなければならないと盲目的に教育されていく。その怖さである。
だが、所詮戦争とは為政者たちの損得勘定から生まれるものである。何のために戦い、命を賭けるのか、最前線の兵士たちには気がつかれないように、敵は自分達とは違う人間であると信じ込ませている。
幸か不幸か、この戦場の三カ国の兵士たちは、同じ人間であることに気付いてしまった。同じキリスト教を敬い、同じ音楽を愛し、同じ酒を飲む。何より人を思い遣る心があるのである。
だが、彼らの振る舞いは上層部にとって許されるものでなかった。戦争の本質が揺らいでしまうからだ。彼らのその後は、本作品では明らかにされていないが、不遇であっただろうと想像される。
そうであったとしても、彼らにとって、このクリスマスは神聖な出来事としていつまでも心を温めていただろうと思いたい。
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