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2006/10/14

明日の記憶

製作年:2005年
製作国:日本
監 督:堤幸彦

お腹が目立つくらい妊娠した娘の結婚式で行った主人公佐伯(渡辺謙)の挨拶が素晴らしかった。「恥ずかしい気持ちよりも、(49歳の若さで)孫ができることを感謝したい」。

若年性アルツハイマー病が進行し、大切なものを次々となくしていく佐伯であるが、見方を変えれば、別の大切なものを得ていくことにもなるのではないか。そうした意識の持ち方が大切だと思う。

仕事をやめるまでの前半には大いに惹き付けられたが、後半の展開が気になった。それは、介護する枝実子(樋口可南子)があまりに美化されて描かれていることだ。

様々な葛藤も描写されているが、それでは足りないと思う。家庭を守るということが生きがいであったにしろ、介護生活の中で暴力という行為まで発生したとき、それでも我慢できるのかという事。

無論、こんなにまで献身的な女性はいないことはないが、一般的ではないであろう。観る者に感動を与える見どころではあるが、ここまでいくと現実味が薄れてしまうのではないか。

吉田医師(及川光博)や得意先の河村課長(香川照之)、かつての部下達が主人公を励ます言葉が、静かに胸を打つもので心に残る。

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コメント

お久しぶりです。 確かにあの結婚式の挨拶は良かったですね~ たどたどしい話し方で 「誠意・感謝」を伝えようとする 姿勢にも心打たれました。こちらかろもTBさせていただきますね。宜しくお願いしますm(__)m

投稿: | 2006/10/16 15:01

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» 明日の記憶 [映画でお喋り♪猫とひなたぼっこ]
「中部ぴあ」主催の試写会に行ってきました。 司会の方が 「いつもの試写会より年齢層が高いですねぇ〜 やはり身近なこととして感じられるのでしょうか??」 と話されましたが 確かに 年配の二人連れの観客が多かったです。 私自身は たまたま夫がつけっぱなしにしていたTVで 主演の 渡辺謙さんが (確か アルツハイマー病の患者を持つ家族の会の方向けの試写会の後でのインタビューだったように思います) 涙ながらにお話された... [続きを読む]

受信: 2006/10/16 15:01

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