明日の記憶
製作年:2005年
製作国:日本
監 督:堤幸彦
お腹が目立つくらい妊娠した娘の結婚式で行った主人公佐伯(渡辺謙)の挨拶が素晴らしかった。「恥ずかしい気持ちよりも、(49歳の若さで)孫ができることを感謝したい」。
若年性アルツハイマー病が進行し、大切なものを次々となくしていく佐伯であるが、見方を変えれば、別の大切なものを得ていくことにもなるのではないか。そうした意識の持ち方が大切だと思う。
仕事をやめるまでの前半には大いに惹き付けられたが、後半の展開が気になった。それは、介護する枝実子(樋口可南子)があまりに美化されて描かれていることだ。
様々な葛藤も描写されているが、それでは足りないと思う。家庭を守るということが生きがいであったにしろ、介護生活の中で暴力という行為まで発生したとき、それでも我慢できるのかという事。
無論、こんなにまで献身的な女性はいないことはないが、一般的ではないであろう。観る者に感動を与える見どころではあるが、ここまでいくと現実味が薄れてしまうのではないか。
吉田医師(及川光博)や得意先の河村課長(香川照之)、かつての部下達が主人公を励ます言葉が、静かに胸を打つもので心に残る。
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コメント
お久しぶりです。 確かにあの結婚式の挨拶は良かったですね~ たどたどしい話し方で 「誠意・感謝」を伝えようとする 姿勢にも心打たれました。こちらかろもTBさせていただきますね。宜しくお願いしますm(__)m
投稿: 猫 | 2006/10/16 15:01