純愛中毒
製作年:2002年
製作国:韓国
監 督:パク・ヨンフン
この愛の形を純愛と言っていいのか。根本的な疑問はここにある。彼の選んだ手段を肯定することはできない。純粋な愛情であるなら、何の欺瞞もなくただ真っ正直に愛を貫くべきだ。何も見返りを求めず、自分が破滅しようとも怯まず、愛し続けるのが純愛だ。
こうした結末を用意してくるなら、辻褄の合わないところも多々感じられる。最大の疑問は、コインの置き場所を彼がどうして知りえたかである。そこをフォローする伏線があってしかるべきである。どうしても無理のある設定と感じさせる。
それに、ラスト・シーンの長台詞と涙は興醒めだ。何も語らず映像だけでとらえていた方が、もっと余韻が残ったであろう。
最後にすべてヒックリ返えてしまったことで台無しになってしまった感もあるが、それまでの雰囲気はなかなかであった。前半のこれ以上ないというくらい幸せな夫婦の描写が、後半の不幸を否が応でも予感させる。
妻のために愛情細やかに料理や家事を行う夫ホジン(イ・オル)の姿が残り続ける。
| 固定リンク
「製作年:2002年」カテゴリの記事
- 公共の敵(2009.04.21)
- ククーシュカ ラップランドの妖精(2008.08.21)
- 雲南の少女 ルオマの初恋(2008.02.03)
- 堕天使のパスポート(2006.12.13)
- イン・ディス・ワールド(2006.07.21)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント