« 旅するジーンズと16歳の夏 | トップページ | 灯台守の恋 »

2006/07/17

純愛中毒

製作年:2002年
製作国:韓国
監 督:パク・ヨンフン

この愛の形を純愛と言っていいのか。根本的な疑問はここにある。彼の選んだ手段を肯定することはできない。純粋な愛情であるなら、何の欺瞞もなくただ真っ正直に愛を貫くべきだ。何も見返りを求めず、自分が破滅しようとも怯まず、愛し続けるのが純愛だ。

こうした結末を用意してくるなら、辻褄の合わないところも多々感じられる。最大の疑問は、コインの置き場所を彼がどうして知りえたかである。そこをフォローする伏線があってしかるべきである。どうしても無理のある設定と感じさせる。

それに、ラスト・シーンの長台詞と涙は興醒めだ。何も語らず映像だけでとらえていた方が、もっと余韻が残ったであろう。

最後にすべてヒックリ返えてしまったことで台無しになってしまった感もあるが、それまでの雰囲気はなかなかであった。前半のこれ以上ないというくらい幸せな夫婦の描写が、後半の不幸を否が応でも予感させる。

妻のために愛情細やかに料理や家事を行う夫ホジン(イ・オル)の姿が残り続ける。

|

« 旅するジーンズと16歳の夏 | トップページ | 灯台守の恋 »

製作年:2002年」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 純愛中毒:

» 純愛中毒 [ネタバレ映画館]
 意識を回復したテジンの身体は彼自身であったが、兄の精神が憑依したかのごとく、家具作りを始める。そして何よりも兄嫁のウンスを愛していたのだ。イ・ビョンホンの二役とも言える演技にとても満足。映画館の中は95%までがマダムで占めていたのだが、さすがに彼の演技力を目の当たりにして静まり返っていた。  映画の作りとしてはある程度納得がいくのだが、間の取りかたがテレビドラマ風なのだ。その結果、緊張感を生むシーンは交通事故�... [続きを読む]

受信: 2006/07/17 11:41

» 映画(純愛中毒) [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
少し前の映画ですけど、タイトルにつられ、wowowを最後まで観ました。 兄ファン・ホジン(イ・オル)、弟テジン(イ・ビョンホン)、兄の妻ハン・ウンス(イ・ミヨン)3人の愛の物語だ。 兄弟の関係を前面に出してるとこなんかはブラザーフッドを彷彿とさせられるが、この物語は演技よりもストーリー設... [続きを読む]

受信: 2006/07/17 12:08

» 純愛中毒 [PICO*THEATRE]
この愛に溺れて、どこまでいくのか お薦め度:.★★★★. 鑑賞すると何ゆえに「純愛」中毒なのかと思いました。 ありがちな中身入れ替えのお話なのかと思っていましたが内容はもっと複雑で楽しめました。普通の恋愛... [続きを読む]

受信: 2006/07/17 16:34

» 映画「純愛中毒」 [ある在日コリアンの位牌]
?タイトル: 純愛中毒 コレクターズBOX  ラブ・サンペンスというのでしょうか。面白いです。愛していくことは、互いに痛みもそれぞれが秘めていくものなのですね。    兄弟が同じ一人の女性を愛するのですが、弟役が韓流四天王のイ・ビョンホン(「JSA」出演)、... [続きを読む]

受信: 2006/07/17 19:22

» 純愛中毒 今年の93本目 [猫姫じゃ]
純愛中毒 サイコかホラーか、ホラーかサイコか、、 人の人格が入れ替わる、、よくある映画のパターンなんだケド、 その題材を、どう脚色するのか、、、 最後にどんでん返しがあるって聞いていたから、どうなるのか楽しみに見たんだケド、 う〜ん、、つ....... [続きを読む]

受信: 2006/07/19 06:48

« 旅するジーンズと16歳の夏 | トップページ | 灯台守の恋 »