イン・ディス・ワールド
製作年:2002年
製作国:イギリス
監 督:マイケル・ウィンターボトム
つい先日、真保裕一の小説「黄金の島」を読んだばかりです。この本の中ではベトナムから日本を不法入国しようとする話でありましたが、共通して感じるものは、そこまで命の危険を冒して入国を目指す価値があるのかということです。
難民キャンプで生活することの絶望感。新天地を目指す夢。実現するべく励む絶え間ない努力。しかし、無事到着しても決して彼らの夢見るような生活は実現しないことが分っているだけに非常に切なく感じます。
パキスタンからロンドンへ向かう風景と人物描写が興味深い。イラン、トルコとあまり見ることのない庶民の生活ぶりが詩情豊かに映し出されている。彼らの移動する乗り物の窓から、それらをながめているだけでも興趣が尽きない。
一つ一つのエピソードが淡々と終わっていく。短い上映時間の中で、サッカーの興じる場面が何回も挿入されているのが特徴的である。言葉や生活環境が違ったとしても、難なく一緒に遊ぶことができる。サッカーというスポーツの奥深さを思う。
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