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2006/07/04

ホテル・ルワンダ

製作年:2004年
製作国:イギリス/イタリア/南アフリカ
監 督:テリー・ジョージ

西欧諸国の無関心さをなじるのは容易い。フツ族の残虐を怒るのは簡単だ。だが、そんなことを続けていても何も状況は変わらない。ポール(ドン・チードル)の姿に感銘を受けたのは、ひたすら生き延びるべく知略をもって行動続けたところにある。

冒頭ではこんな過酷な状況になるとは予断できず、義理の姉夫妻を救うことができなかった。自らの地位を過信しすぎた誤りもあった。だが、そうした失敗を踏まえて、さらに前進させていく。そこに心が揺さぶられる。

もっとも感心したのは、自分たちが関係した西欧人たちに別れの電話を入れるエピソードである。そこで、あからさまに助けを求めるのではなく、別れを告げるというのだ。

さよならを言いながら、相手の心から手を離すなという。そうすることで相手に憐れみの心を呼び起し、自発的に行動することに繋がっていくのだ。こうした心理戦に舌を巻く。

フツ族がツチ族をゴキブリに言い換えているところが怖い。何故、こんな虐殺が行われるのか。それは歴史的背景もあるだろうし、一種の狂騒状態に陥って理性が働くことができなかったこともあるだろう。

それを助長させたのが害虫扱いにしたことではないだろうか。同じ人間ではない、自分達に害をもたらす厄虫だと思い込んでしまえば、殺害行為に良心を痛めることはない。

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コメント

>フツ族がツチ族をゴキブリに言い換えているところが怖い

同感です。
言葉一つで、尊厳がまたく失われるのですから。

投稿: マダムクニコ | 2006/07/05 01:28

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