息子のまなざし
製作年:2002年
製作国:ベルギー/フランス
監 督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
理不尽な出来事に遭遇すると、なぜそんなことが起きたのか、その理由が知りたくなる。それを知ったからといって、理不尽な出来事が消えてなくなることはない。
それを聞いたからといって、理不尽な出来事を忘れることができるわけでもない。それでも知りたいと求めてしまうのは、心の整理が付かないからであろう。
どこかで納得し、決着をつけないと、理不尽な出来事は記憶の奥の扉に仕舞い込めないのだ。オリヴィエ(オリヴィエ・グルメ)が自分の木工教室にフランシス(モルガン・マリンヌ)を招き入れた心情はそれではないだろうか。
本作品は状況説明が全くなく、どんどん物語が進んでいく。事前にどんな話かも知らないで見始めた自分には、固唾を飲んで見つめるばかりだ。とにかく全編みなぎる緊迫感が凄まじい。このタイトルから、別の話を予想していたが大きく外れてしまった。
ラスト・シーンも印象深い。唐突にここで終ってしまうのかという意外性がある。そして、それは希望を抱かせるもので、安らぎに満ちた余韻に浸る。
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コメント
こんばんは、トラックバックありがとうございました。
私も予備知識なしで鑑賞したのでいささか面食らってしまった作品です。「希望」といえるかどうか、ギリギリの感触を抱かせるラストは今でも印象に残っています。
近々「ロゼッタ」も見てみたいです。
投稿: 朱雀門 | 2006/06/30 19:30