ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ
製作年:2005年
製作国:アメリカ/イギリス
監 督:ニック・パーク/スティーヴ・ボックス
野菜を食べるうさぎの本能を変えようとする無謀な試み。野菜でなければ、何を食べさせようとするのか。肉食になればもっと恐ろしい事態も考えられるのに。
このシークエンスを現実的でないと切り捨てるのは簡単ではある。だが、このような偏った発想って意外と多いのではないか。ある一面だけをみた解決策は本質的な問題解決にはならず、一時的なごまかしでしかない。かえって問題が大きくなってしまう。気をつけたいものだ。
これだけ長時間のクレイ・アニメを作り上げた労苦は偲ばれる。そのことを充分に承知しているが、本作品を見たとき、驚きが感じられなかった。
様々に仕掛けられたパロディもクスクス笑わせてくれるのだが、大笑いするまでに至らない。脚本が平板なのであろうか。悪い意味でこちらの読みどおりのドラマ展開で、心からハラハラドキドキしなかったのが大きい。
グルミットは犬というよりも理想の妻を体現している。余計なことは話さず、てきぱきと家事をこなし、ウォレスの失敗をいつの間にかカバーしてくれる。現実にはこんな女性はそうそういないであろう。その夢の姿をグルミットに託して描いているのであろうか。
そんなグルミットが自分で育てている巨大野菜と過ごす場面が印象深い。自分の子供と一緒にいるような慈しみぶりである。ウォレスでは満たされないものをここで補完しているようであった。
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コメント
TBさせていただきました。
今回はちょっと期待はずれでした。
投稿: タウム | 2006/08/26 22:07