バス174
製作年:2002年
製作国:ブラジル
監 督:ジョゼ・パジーリャ
あまりにも過酷なブラジル社会の現実。ファースト・シーンから何度も繰り返し挿入される空撮シーンが印象深い。そこから聞こえてくる呟きがあまりに悲痛だ。大空から見れば同じ人間なのに、どうしてこんなに貧富の差が生まれてしまうのか。
映画が進んでいくうちに、なぜ、ストリート・チルドレンが生まれていくのか、明らかになっていく。こんな世界は間違っていることなど誰もが分っている筈なのに。
警察組織の未熟ぶりにも驚かされた。訓練もない、装備もない。これで犯罪捜査をしているとは。指示系統も混乱し、テレビ生中継が行われているために強攻手段をためらうことになってしまった。この弱気がますます事態を混乱させていく。
バスの乗客たちと犯人との奇妙な関係性も興味深かった。我々に見えている映像の裏側で、別の共感とドラマが進行している。時間が経つうちに一種の共犯関係へと変貌していくのだ。
| 固定リンク
「製作年:2002年」カテゴリの記事
- 公共の敵(2009.04.21)
- ククーシュカ ラップランドの妖精(2008.08.21)
- 雲南の少女 ルオマの初恋(2008.02.03)
- 堕天使のパスポート(2006.12.13)
- イン・ディス・ワールド(2006.07.21)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こんにちは★
いつもお世話になっております。
最近なぜか、ヤプログからココログへのトラックバックが出来ないようになってしまって、お返しが出来ません!!
ホント申し訳ないです・・・。
なので、URLの方にリンク貼っておきますね。
コメントのみでごめんなさい。
投稿: マイコ | 2006/06/04 10:04