木浦(モッポ)は港だ
製作年:2004年
製作国:韓国
監 督:キム・ジフン
自分の望む生活スタイルと自分本来の能力とがうまく噛み合えば、満足すべき生涯を送ることができる。だが、往々にしてそのバランスがとれていない事の方が多いものだ。本作品ではそのことが極端な形で強調されている。
主人公のスチョル刑事(チョ・ジェヒョン)は秀逸な頭脳を持ちながら、犯罪捜査の現場で犯人逮捕を試みて大失敗してしまう。それでもめげず、潜入捜査を志願していく。
自分の能力を知ることが、妥当な挑戦と無謀な挑戦を分けることになる。
本作品でもっとも不満なところは、危機に陥ったとき、その脱出のディティールを省き、次の場面へ簡単に移行してしまうところだ。そんなことが続くと、物語のリアリティを著しく損なうことになってしまうのだ。
その最たるところは、自身も指名手配となってしまい、窮地に陥った兄貴分をいかにして救うかというクライマックスだ。あれでは基本的な問題解決にはならないと思うが、アクション場面でごまかし、いつの間にか大団円になってしまっている。これでは納得がいかない。
主人公チョ・ジェヒョンって、どこかで見た顔だと思っていたが、なんとキム・ギドク監督の「悪い男」のヤクザだったのか。鑑賞後に様々なレビューを読んで初めて知りました。あまりにも違う役柄に驚嘆しました。
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