« 恋は五・七・五 | トップページ | 亀も空を飛ぶ »

2006/05/15

ドア・イン・ザ・フロア

製作年:2004年
製作国:アメリカ 
監 督:トッド・ウィリアムズ

どうしても乗り越えられない喪失の苦しみ。この夫婦はこの4年間、なんとか立ち直ろう、再生しようと必死に努力してきたのだろう。それは、映画の中で詳しくは語られていないが、全体的にそう匂わせている。引っ越しをしてみる。新しい子供を作る。生活環境を変えて、新たな人生をスタートさせるが、亡くなった息子たちの空白を埋めることができない。喪失感と共に家族関係を維持できない哀しさが画面にあふれ出ている。

死んだ兄弟の写真が廊下一面に飾られている。異様な情景であるが、その写真に取り付かれたような幼い娘ルース(エル・ファニング)の存在がポイントであると思う。家族がバラバラになることを直感的に分っており、その中心となった亡き兄たちのドラマを聞いたり語ったりすることによってなんとか家族の絆をつなぎとめようとしているのではないか。

原作は未読でありますが、粗筋などを目にすると成長したルースの大河ドラマのようです。原作の前半に焦点を絞り、再生できない喪失の哀しみをエディの淡い恋愛をからめながらまとめたトッド・ウィリアムズ監督の脚色。なかなか出色でありました。

|

« 恋は五・七・五 | トップページ | 亀も空を飛ぶ »

製作年:2004年」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
映画を観た後に、原作も読んだのですが
そこにあふれる深い悲しみを的確にとらえた
美しい映画だったと改めて感じました。

投稿: かえる | 2006/05/15 13:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/10076310

この記事へのトラックバック一覧です: ドア・イン・ザ・フロア:

» ドア・イン・ザ・フロア [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
ジョン・アーヴィングの小説を映画化した作品です。ジョン・アーヴィング原作の映画といえば、これまでにも、「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」「サイモン・バーチ(小説の題名は、オウエンのために祈りを)」「サイダーハウス・ルール」など、独特の雰囲気の世界が描... [続きを読む]

受信: 2006/05/15 07:11

» ドア・イン・ザ・フロア [It's a Wonderful Life]
以前、映画「ガープの世界」に大感激して、ジョン・アーヴィングの 小説にハマった事がありました。 今思うとあの映画は「明日に向かって撃て!」「スティング」等の ジョージ・ロイ・ヒルが監督していたので、本来のアーヴィングの持ち味 とは少し違うハートフル...... [続きを読む]

受信: 2006/05/15 08:36

» 『ドア・イン・ザ・フロア』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
ゆったりと流れる時間の中で、繊細に描写される深い悲しみ。 憂いとユーモアに包まれて、じんわり心を動かされる。 たぶん多くの人にとってあまりおもしろいとは感じられない映画かな。 私はこの情感がとても気に入った。 ある夏、児童文学者のテッド、妻マリアン、娘サラのところに、 作家志望の高校生エディが助手として住み込むことになる。 夫妻は以前、2人の息子を亡くしていた。 ジョン・アーヴィングのベストセラー小説「未亡人の一年」の映画化アーヴィング原作の映画はどれもよくできている。 『ガ... [続きを読む]

受信: 2006/05/15 13:09

« 恋は五・七・五 | トップページ | 亀も空を飛ぶ »