NOEL ノエル
製作年:2004年
製作国:アメリカ
監 督:チャズ・パルミンテリ
クリスマス・イヴのニューヨーク。出版社で働くローズは認知症の母親の看病に明け暮れ、自分の幸せを諦めていた。結婚を目前に控えたニーナと警官マイク。幸せいっぱいの2人だが、マイクの度を越した嫉妬にニーナは怒り、アパートを飛び出してしまう。ローズとニーナはふとしたことで出会うが…。
ファースト・シーンとラスト・シーンの連動。上下するカメラの動きは天使の飛行軌跡をたどっているようであった。そこに居合わせたローズ(スーザン・サランドン)が天使の飾りに目を留めたとき、奇跡が始まる。ここで思うものは、聖なるものに触れる機会を大切にするということである。
無論、奇跡が起きると言っても、所詮クリスマス映画の作り物であると思ってしまえばそれまでのことである。しかし、奇跡としか思えない不思議な宿命とはありうることだし、それが起きるにしろ起きないにしろ、信じるものの方に確率が高いのではないか。こう書くと不純なようだが、人生は不公平なものだから、少しでもいいことが起るチャンスは逃したくないし、例え信じたとしても何も損することはない。
嫉妬深いのは相手を信じるかどうかではなく、自分自身を信じられないからだ。マイク(ポール・ウォーカー)は、そう最後に気付いていく。これが深い人生訓であった。自信をなくしたとき、様々な悲劇が始まっていく。
アラン・アーキンの演じるカフェで働く老人アーティが、とても意外でユニークであった。予告編で想像して役柄と全く違っている。彼の存在がポールの未来を予言するものだし、ポールでなければアランに許しを与えることができなかった。こういうキャラクターを考え出した作者に感服する。
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