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2006/05/04

空中庭園

製作年:2005年
製作国:日本 
監 督:豊田利晃

「やりなおし。くりかえし」。母・さと子(大楠道代)が呪文のように何度も繰り返す。この場面が印象深い。本作品のテーマはここにある。例え家族といえども、一緒に生活していれば、何かしら問題は起ってくる。その為にどんなひどいダメージを受けたとして、家族ならやり直すことができる。やり直しして、平静な日々が続けば、また何かが起る。人の営みとはこのサークルの中で延々と続いていくのではないだろうか。

「幼稚園の学芸会みたい」とミーナ(ソニン)が絵里子(小泉今日子)の家族を看破する。家族の間に秘密を持たないという極端な設定を用意したことによって、デフォルメされた中から、家族とは何か観客に考えさせる。

いい家族関係を作るには、本来の自分の姿とは別に、家族を演じることも必要なのであろうか。それは虚構的かもしれない。嘘の人間関係でもあるだろう。だが、その事が本当に悪いのか。

人の心にはダークサイドが潜んでいる。それを見せ合っても、それはそれで疲れるだけだ。それなら、学芸会でもいいから明るい家族を作っていってもいいのではないか。本作品はそのことを肯定的に描いていると思う。

いい台詞が一つ。「思い込みが激しいと、本当の事が見えなくなる」。絵里子の生涯をずばりと表現している。

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コメント

>学芸会でもいいから明るい家族を作っていってもいいのではないか。

それも疲れるんですよね。
知人の仲良し家族が、それで崩壊しました。

投稿: マダムクニコ | 2006/05/07 14:06

TBありがとう。

結局、すべての家族をつくる人たちは、自分の幼児期のトラウマを背負い込んで、無意識にそこから遠ざかろうとする。そして、また、そのことが、別の意味で、自分の子供にトラウマを与えることになってしまう。自然に・・、というのは、難しいことですね。

投稿: kimion20002000 | 2006/05/11 09:32

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