ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女
製作年:2005年
製作国:アメリカ
監 督:アンドリュー・アダムソン
預言によって普通の人間が救世主として祭り上げられるというと、すぐに「マトリックス」(1999)を思い浮かべる。そこで葛藤されるのは、その預言を自分自身で信じられるかということである。
戦う勇気があるのか。戦う能力があるのか。他者を慈しむ心を持てるのか。終始、主人公たちは自問を繰り返す。
本作品はイエス・キリストの贖罪と復活をモチーフとしたアスランの行動などがあり、明らかにキリスト教の世界観に基づいている。では、教徒ではない私には遠いドラマかというとそんなことはない。
なぜなら、日常生活の中においても、我々は思いもかけない使命に直面することがあるからだ。その戸惑い、苦心、迷いなどを経験しているから、登場人物たちに自分の姿を投影し画面に惹き付けられるのであろう。
弟エドモンド(スキャンダー・ケインズ)の消えることがない父への思慕。そのために起る兄ピーター(ウィリアム・モーズリー)との確執。不満から芽生えていく虚栄心。
そうした細かい感情を丁寧に描写していくアンドリュー・アダムソン監督の演出もなかなかいい。
どうしても「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと比較してしまい、あの重厚感には勝てないかもしれません。だが、ひとつの作品としては充分に堪能できる手堅い作りになっていると思います。
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