« 理想の女(ひと) | トップページ | オリバー・ツイスト »

2006/04/11

さよなら子供たち

「さよなら子供たち」★★★★
(BS)1987年フランス 西ドイツ 
監督:ルイ・マル
出演:ガスパール・マネス ラファエル・フェジト
   フランシーヌ・ラセット
   スタニスタス・カレ・ド・マルベール

1944年ナチス占領時代のフランス。戦災のパリからカトリック寄宿学校に疎開している12歳の少年カンタン。ある時、ボネという少年が転入してくる。初めはどこか打ち解けない2人だったが、次第に連帯感が生まれてくる。だが、ボネは偽名を使って転入してきたユダヤ人であることを知ってしまう…。

第44回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。第13回セザール賞で作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、音響賞、編集賞、美術賞の6部門を受賞。

パリを離れる汽車の前、母の前で俯くカンタン。このファースト・シーンで、自分で状況をコントロールできない少年の無念な気持ちがよく伝わってくる。そのことで素直さを欠き、どこかひねくれた態度を取る。

そんな時、彼の前に現れたボネ。勉学にも音楽にも優秀なボネに最初は辛く当たるが、彼がユダヤ人と知って少しずつ変わっていく。ボネは自分以上に喪失したものがあることに気付いていくのだ。両親に会えない寂しさより辛い現実があることを知る。

淡々とカンタンの日常が綴られている。感傷にひたることなく、ひとつひとつのエピソードが進められていく。ラスト・シーンの「さよなら子供たち、また会おう」というゲシュタポに逮捕された校長先生の言葉。もう二度と会う事のない先生と生徒たち。劇的な場面にしていないため、この別れの言葉が余計に重く響く。

ピアノ教師役の女性はどこかで見たことがあると思っていたら、イレーヌ・ジャコブだったのか。この映画が彼女のデビュー作であった。これをクシシュトフ・キエシロフスキー監督が見て、「ふたりのベロニカ」(1991)や「トリコロール/赤の愛」(1994)に繋がっていくと思うと感慨深い。

|

« 理想の女(ひと) | トップページ | オリバー・ツイスト »

「★★★★作品」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/9532076

この記事へのトラックバック一覧です: さよなら子供たち:

« 理想の女(ひと) | トップページ | オリバー・ツイスト »