ランド・オブ・プレンティ
製作年:2004年
製作国:アメリカ/ドイツ
監 督:ヴィム・ヴェンダース
アメリカで生まれながら宣教師の父に同行しアフリカやイスラエルで育ったラナ。亡き母の手紙を伯父ポールに届けるために10年ぶりにアメリカへ帰国する。ロサンジェルスに着いた彼女は教会でボランティアをしながら伯父を捜し始める。その頃、ポールは街の監視活動をたった一人で続けていたが…。
「聞いてみたい。犠牲者の方々が本当に報復を望んでいるのか」という台詞にはっとなる。9.11事件という未曾有の事態。その後、我々の生きる世界は自爆テロという新たな戦争状態に突入した。その事態にアメリカは好戦的な態度で応じている。アメリカよ、それでいいのかとヴィム・ヴェンダース監督はやさしく問い掛ける。
遺体を届ける旅を通して様々な発見をしていくというと、「遥かなるクルディスタン」(1999)を思い出します。知っているつもりのこと、常識と思っていることは、あくまで知識でしかなく、実際の風景や人々を見て、真の姿を理解していく。自分の目で確かめることがいかに大切か実感します。
音楽と映像の絶妙なハーモニー。あふれ出る詩情。ヴィム・ヴェンダース監督の持つ特性が遺憾なく発揮されている。レナード・コーエンのタイトル曲が心に染み渡る。
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コメント
こんにちは♪
タイトル曲がなんともいえず良かったですね~。
思わず歌詞を書きとめてしまいました。
監督の視線が優しいのが嬉しいです。
皆がラナのような気持ちをもてたらいいですね。
投稿: ミチ | 2006/04/27 10:44