犬猫
製作年:2004年
製作国:日本
監 督:井口奈己
一緒に暮らしていた恋人・古田の家を突然飛び出したスズは、東京近郊の静かな街の一軒家に暮らすアベチャンを頼って訪ねる。ところが、アベチャンは明日から中国へ留学し、ヨーコが留守を預かることになっていた。ヨーコとスズは幼なじみ。あまり仲は良くなかったが、仕方なく一緒に暮らすことになるが…。
「むーちゃん、ごはんだよ」とスズ(藤田陽子)が猫に甘い声をかけても、猫は少しも餌のところに近付く様子は見せない。そういう描写が続く。この辺りにもスズとヨーコ(榎本加奈子)の微妙な関係が投影されていると感じる。
同じ花を同じ日に買ってしまう。同じ男の子を好きになる。同じ場所で道に迷う。スズとヨーコは、性格こそ正反対かもしれないが、同一性を感じさせるエピソードが続く。その極め付けが、頭に来るとやみくもも疾走するところだ。それまで固定したカメラを二人の動きをとらえていたので、より強く印象に残る。
それまでのタレント活動から言えばスズの方が似合いそうな榎本加奈子。そのイメージとかけ離れたキャラクターを絶妙に演じていて感心しました。
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コメント
TBありがとうございました。
確かに、榎本加奈子の印象はスズの方が近いですね。彼女がトーンを抑えたからこそ、藤田陽子のぶっ飛びぶりが強調されて感じるのでしょうか。
投稿: sabu | 2006/04/16 22:03