« Mr.&Mrs.スミス | トップページ | SAYURI サユリ »

2006/03/03

巴里の恋愛協奏曲

製作年:2003年
製作国:フランス 
監 督:アラン・レネ

1925年、パリ。美しいジルベルトは実業家のジョルジュと理想的な結婚生活を送っている。彼女は専業主婦には収まりきれず、新進気鋭の芸術家シャルレと火遊びを楽しんでいた。ある時、ジルベルトの元夫でアメリカ人のエリックが彼女の自宅に現れる。彼女はジョルジュに離婚歴があることを隠していたのだが…。

第29回セザール賞でダリー・コールの助演男優賞、音響賞、衣装デザイン賞を受賞。

まずなんと言っても楽曲の楽しさ。伸びやかな歌声。軽快なメロディ。ユーモアたっぷりの歌詞。全編、楽曲の魅力に満ち溢れ、大いに聴き惚れる。

ここで疑問になるのは、アメリカ人の前夫エリック(ランベール・ウィルソン)の存在である。別れた妻を取り戻そうとするのはあまりに無策すぎるし、彼女の幸福を邪魔しようという悪巧みもない。キーパーソンとしてはあまりに中途半端な存在。

では、どういう男なのであろうか。彼は幼少の体験がトラウマとなっていて、女性と正常な関係性を築けずに苦悩していることが劇中で明らかになっていく。幸福を手にしたいけれど、その手段を知らないでいる男。迷いの中にいるものだから、曖昧な振る舞いを続けるのだ。

だが、そんな彼も変わっていく。幼少のトラウマを告白することによって、結果的に開放されていく。苦しみをはっきり認識することによって、その苦しみを克服することができる。そんなエリックが、愛を得られないのであれば、別の人を探せとフランス人に助言するのが興味深い。彼の行動は当初、正反対だと感じさせるが、結果として自分の言葉通りになって幸福を手中する。

やはり、妄執は悲劇しか生まない。何かを捨て去ることから別の何かを得ることができるのだ。

|

« Mr.&Mrs.スミス | トップページ | SAYURI サユリ »

製作年:2003年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/8927379

この記事へのトラックバック一覧です: 巴里の恋愛協奏曲:

» 巴里の恋愛協奏曲 [ m e r c i *]
【2003年/フランス】 原題〝Pas sur la bouche〟 監督 : アラン・レネ 出演 : サビーヌ・アゼマ、オドレイ・トトゥ、イザベル・ナンティ、      ランベール・ウィルソン、ピエール・アルディティ 1925年、パリ。 ジルベルト(サビーヌ・アゼマ)は実...... [続きを読む]

受信: 2006/03/03 22:50

» おいしいディナーのあとのデザートにぴったり [人生はお伽話もしくは映画のよう]
「巴里の恋愛協奏曲(パリの恋愛コンチェルト)」 今の配偶者(もしくは彼or彼女)にどうしても知られたくない秘密があったら…。過去のことでも、現在進行中のことでも [続きを読む]

受信: 2006/03/06 09:17

« Mr.&Mrs.スミス | トップページ | SAYURI サユリ »