« ベルリン、僕らの革命 | トップページ | ライフ・イズ・ミラクル »

2006/02/21

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

製作年:2005年
製作国:アメリカ
監 督:マイク・ニューウェル

1作目の頃のような無邪気さは陰を潜め、思秋期の混沌が彼らを覆っている。特徴的なのは、応募資格のないはずなのにハリーが三大魔法学校対抗試合の代表選手に選ばれたと知って、ロンが凄まじい怒りを抱くとことだ。ハリーのことを充分に知っているはずなのに、特別な方法を使って抜け駆けしたと盲信してしまう。不正を許せないのでなく、自分へ秘密にしていたことが許せないのだ。

傍観者から見ればハリーがそんなことはしないのは明らかになのに、当事者同士では見えない壁を勝手に築いてしまう。そこが興味深い。ハリー・ポッターは孤高のヒーローでなく、仲間から助けられて盛り立てられるヒーローだ。危機に瀕したとき、自分独りの力ではなく、誰かから救いの手が差し伸べられる。

そうしたことが続き、どことなく物足りなさも残るわけだが、何故ハリーはそうして仲間達から救われるのか。その答えの一端が本作品の中に描かれている。彼自身が危機の時、身の危険を顧みず仲間を救おうとするからだ。「与えよ、されば与えられん」という言葉が思い出される。

本作品のマイナスポイントは期待の高まる重要なシーンがかなりカットされて、あまり本筋に絡まないエピソードが盛り込まれているところだ。

まず、最初のクィディッチ・ワールドカップ決勝戦の模様が入場シーンだけでカットされてしまっているところ。ここでは魔法競技大会に登場するビクトール・クラムがいかに優秀な選手なのかたっぷりと描いていないと、ホグワーツ魔法学校に彼がやってきた時のロンの驚きが彼だけのものに終り、観客と共感できないのだ。

また、魔法競技大会の第一競技、ドラゴン金卵奪取戦では前3人の描写がない。3人のそれぞれの戦い方やドラゴンの動き方など、一つの定形がないと、ハリーの時の異常さが伝わってこないのだ。その一方で、ハリエットの恋の顛末など省いても支障はなかった筈だ。

そうしたことが他にも多々見られる。ただエピソードの羅列に終始し、ドラマとして大きな流れを産みまでに至っていない。

|

« ベルリン、僕らの革命 | トップページ | ライフ・イズ・ミラクル »

製作年:2005年」カテゴリの記事

コメント

こんにちは♪
映画を見たときはただひたすらコーフンしていてあまり深く考えなかったのですが、やはり原作でのエピソードの積み重ねにはかないませんでしたね。
あの膨大な量を3時間にまとめることだけでも大変だったと思うし、それは評価したいですが・・・。

投稿: ミチ | 2006/02/21 23:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59722/8773094

この記事へのトラックバック一覧です: ハリー・ポッターと炎のゴブレット:

» 退屈な2時間37分◆『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 [桂木ユミの「日々の記録とコラムみたいなもの」]
11月4日(金)ピカデリー1(完成披露試写会)にて 世界中の魔法使いが集まったクィディッチ・ワールドカップ決勝戦。その興奮のさなか、大観衆を凍りつかせる事件が起こった。スタジアム上空に浮かび上がった不吉な"闇の印"。それは、ヴォルデモート卿復活の前触れだった....... [続きを読む]

受信: 2006/02/21 22:01

» 「ハリー・ポッター 炎のゴブレット」劇場にて [xina-shinのぷちシネマレビュー?]
本日全国公開の話題作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』をファボーレ東宝で見てきました。 『ハリ・ポタ』シリーズ第4作の監督は「マイク・ニューエル」 ボグワーツの4年生となった『ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)』たち。『ハリー』は『ハーマイオニー(エマ・ワトソン)』『ロン(ルパート・グリント)』の家族らとともにクィディッチ・ワールドカップを観戦しに行くが『デス・イーター』が現れ会場は荒�... [続きを読む]

受信: 2006/02/21 22:06

» 映画館「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 [☆ 163の映画の感想 ☆]
ハリポタシリーズは「賢者の石」「秘密の部屋」は劇場で観ましたが「アズカバンの囚人」はまだ観ていませんでした。シリーズモノは、きちんと順序どおりに観るようにしているのですが、大丈夫かなと思って観てしまいました。しかし「アズガバン」というのが今回の作品にも...... [続きを読む]

受信: 2006/02/21 22:49

» 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 [ラムの大通り]
-----『ハリポタ』も早くも第4作目だね。 今回は原作が2巻に分かれたあの大長編。 冒険もスケールが大きくて映画化は難しそうな気がするけど。 「そうなんだよね。原作を読んでいるときから、 これは果たして映画になるんだろうかと…。 でもよくここまでやったと思う」 ----監督がまた変わったよね。マイク・ニューウェルだっけ? 「そうなんだ。これがいい方に転がったね。 そもそも一作目を監督した... [続きを読む]

受信: 2006/02/21 23:31

» 映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 [ミチの雑記帳]
映画館にて「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」★★★★ 先行ロードショーにて鑑賞。 ハリポタシリーズの第4作。原作もこの4作目から上下巻となり、質量共に膨大になった覚えがある。そして一番ワクワクしたのもこの第4作だったので、映画化を待ち望んでいた。 ストーリー:ホグワーツ魔法魔術学校の4年生になったハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)。今年はホグワーツで“三大魔法学校対抗試合”が行われることになり、他校の生徒... [続きを読む]

受信: 2006/02/21 23:40

» ハリー・ポッターと炎のゴブレット HARRY POTTER AND THE GOBLET OF FIRE [travelyuu とらべるゆう MOVIE]
ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン主演 人気のハリーポッターシリーズ4作目 ロンの一家の招待でハリーはハーマイオニー達と共に アイルランド対ブルガリアのクイディッチ・ワールドカップ Quidditch World Cupを観に行きます そこでハリー達は不可解な一味に襲われ危うく難を逃れるのですが ハリーは気を失っている間に不思議な夢を見ていたのです・・・・ ホグワーツ魔法学校が始まり 三つの魔法魔術学校の間で生徒が魔術の腕を競い合う トリウィザード・トーナメントが開か... [続きを読む]

受信: 2006/02/21 23:55

» 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 [It's a wonderful cinema]
 2005年/アメリカ  監督/マイク・ニューウェル  出演/ダニエル・ラドクリフ      エマ・ワトソン  人気シリーズ第4作目。今までで一番ダークな内容になってますね。  あれだけの長編を2時間半程度にまとめてあるので、大分端折ってますが、うまくまとめてあるんじゃないかな、と思います。そう思うのは、原作を読んでるからかなあ?原作を読んでない人はどう感じたんでしょうか。  主人公3人は、本当に大きくなりましたねー。大人になりつつあるね。14歳っていう設定に無理が出てきたよ... [続きを読む]

受信: 2006/02/22 01:15

» ハリーポッターと炎のゴブレット [Akira's VOICE]
ハリポタ,フォー! は,軽く眠たい・・・ [続きを読む]

受信: 2006/02/22 10:20

» ハリーポッターと炎のゴブレット [toe@cinematiclife]
今年1本目の映画は、魔法の上手なハリーくん。 前作の「アズカバンの囚人」を見逃していて(^^;)、ちょっと不安だったんだけど、大丈夫だったみたい。 早いもので、少年だとばかり思っていたハリーくんも思春期を迎えたのね。 何も考えずに楽しみたいときには、いいかもね~☆ <STORY> 新学期の初日に、ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)から、重大発表があったホグワーツ校。 数百年に一度開催される世界... [続きを読む]

受信: 2006/02/28 01:40

» ハリー・ポッターと炎のゴブレット 06年97本目 [猫姫じゃ]
ハリー・ポッターと炎のゴブレット ダニエル・ラドクリフ (DANIEL RADCLIFFE )って、1989年生まれ、17才?ルパート・グリント (RUPERT GRINT )が、1998年生まれ、18才エマ・ワトソン (EMMA WATSON )は、1990年生まれ、16才 もう無理yo、このメンバ...... [続きを読む]

受信: 2006/05/25 16:53

» ハリーポッターと炎のゴブレット [toe@cinematiclife]
今年1本目の映画は、魔法の上手なハリーくん。前作の「アズカバンの囚人」を見逃していて(^^;)、ちょっと不安だったんだけど、大丈夫だったみたい。早いもので、少年だとばかり思っていたハリーくんも思春期を迎えたのね。何も考えずに楽しみたいときには、いいかもね~☆ <STORY>新学期の初日に、ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)から、重大発表があったホグワーツ校。数百年に一度開催される世界三大魔法学... [続きを読む]

受信: 2007/11/04 00:19

« ベルリン、僕らの革命 | トップページ | ライフ・イズ・ミラクル »