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2006/02/13

さよなら、さよならハリウッド

製作年:2002年
製作国:アメリカ
監 督:ウディ・アレン

アカデミー賞を二度も獲得した実績を持ちながら今ではすっかり落ちぶれてしまった映画監督のヴァル。ある時、彼のもとに「眠りなき街」というメジャー作品の監督のオファーが舞い込む。この映画のプロデューサーはヴァルと離婚したエリーで、周囲の反対をなんとか説得し、彼の起用を決めるのであるが…。

シニカルな視点の効いたお馴染みのウディ・アレン映画であるが、コメディとしてもなかなかの仕上がり。ありきたりではあるが、軽快なテンポと意表を付く展開で、クスクスと笑える。

本作品で特徴的なのは、息子との確執がサイドストーリーとして盛り込まれていることであろう。今までは見た目で判断し息子の音楽活動を否定してきたことが、盲人となったことで自分の独り善がりな価値観であったことに気付いていく。

それは息子との関係でなく、映画製作の面でも別れた妻エリー(ティア・レオーニ)との関係でも同様と言える。ヴァル(ウディ・アレン)の気付きはその後の生活の中でまた失ってしまうかもしれないが、この瞬間を迎えることが出来ただけでも彼は幸福であるに違いない。

いい台詞が一つ。再び目が見えるようになったとき、一緒にいたエリーに「なんて君は美しいんだ」と大興奮のヴァル。今まではブスだったのというエリーに対して「昔はプリティーだったが、今はビューティフルだ」と返す。洒落た会話でいいなぁと思う。

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コメント

TBありがとうございましたm(_ _)m

アレン作品は段々観やすくなってきますね^^
しかもあの風体でいい女優さんと絡んで羨ましい限りです~♪ ティア・レオーニ、綺麗な女優さんですね^^

投稿: cyaz | 2006/02/13 23:22

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