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2006/02/19

私は「うつ依存症」の女

「私は「うつ依存症」の女」★★★★
(GyaO)2001年アメリカ ドイツ 
監督:エーリク・ショルビャルグ
原作:エリザベス・ワーツェル
出演:クリスティーナ・リッチ ジェシカ・ラング
   アン・ヘッシュ ミシェル・ウィリアムズ

1986年。リジーは晴れてハーバード大学の入学が決まる。彼女は教育熱心な母の過度な期待や音信不通の父との関係など精神的負担を抱えている。ルームメイトのルビーと仲良くなり、ローリング・ストーンズ誌から執筆を依頼されるなど大学生活を順調に送っていたのだが…。

うつ病というのは特殊な病気ではないと思う。どうしようもなく無気力になってしまい、どこにも出かけたくない、電話にも出たくない、片付けなければならない用事も放り出してしまう。昔を振り返ると、そういうことが私にもあった。その頻度と深度の違いだけなのであろう。私自身、最近はそんな無気力状態になることも少なくなったが、これも経験の積み重ねであろうか。

ラスト・シーンで原題にもなった“プロザック”という抗うつ剤の使用量がアメリカ社会の隠れた側面を浮き彫りにする。彼女が症状を悪化させていくのは、両親の不和、母親の過剰な期待、父への慕情ということもあるのであろうが、自分の存在意義を把握しきれていないからでないであろう。

文才があると思っているのに全く書けなくなってしまうことでリジー(クリスティーナ・リッチ)は病気を悪化させてしまう。自分独りでは物事に対処しきれず他者に救いを求める依存性と、そんな弱さに憐れみをかけられたくないという頑迷性が拮抗し、より一層彼女を孤独にしている。

ファースト・シーンが印象深い。ハーバード大学へ旅立つ日、全裸のままベッドに呆然と腰掛けている娘と、娘の前途ある未来を嬉々として語る母親。この異質さが突出している。二人の関係が尋常なものでないことが最初から分かってくる。

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私は「うつ依存症」の女  2001/アメリカ  ★★★ 監督 エーリク・ショルビャルグ 出演 クリスティーナ・リッチ / ジェシカ・ラング / アン・ヘッシュ / ジェイソン・ビッグズ ■あらすじ■  「ローリングストーン」誌に書いた音楽評で受賞する程の文才を持つリジーは、父親との微妙な関係や母の過度の期待、うつの症状など不安定要素を抱えていた。それでもハーバード入学当初は友達に恵まれ、華やかなキャンパスライフを送っていたが、親友ルビーとの諍いや母親との関係に悩み、次第にうつ症は加速... [続きを読む]

受信: 2006/02/19 22:01

» 私は「うつ依存症」の女 [ m e r c i *]
〝 しあわせの処方箋 〟 エリザベス・ワーツェルという人の自伝小説に基づいた作品。 若い時からライターとして才能を高く評価され、 優秀なリジー(クリスティーナ・リッチ)はハーバード大学へ。 学校にいる誰もが羨む才能あふれる彼女だったが、 才能以...... [続きを読む]

受信: 2006/03/03 22:54

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