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2006/01/31

カーテンコール

製作年:2004年
製作国:日本
監 督:佐々部清

東京の出版社に勤める香織は新鋭女優のスキャンダルをスクープして喜ぶが、そのことで女優が自殺未遂を起してしまい福岡のタウン誌に異動を命じられる。彼女はそこで“懐かしマイブーム”を担当することになった。下関の映画館に出演していた幕間芸人について書かれた読者のハガキを香織は見つけるが…。

拭い去れない後悔。その時はベストと思った判断も、時間が経てば間違いではという思いが募ってくる。それが知らぬ間に心の奥底に散り積もっていく。香織(伊藤歩)はこの取材を通して過去と向き合い、散り積もった後悔に改めて気付く事になる。もし、東京で仕事を続けていれば、それに触れることもなく一生を過ごす事になったかもしれない。左遷と思えることも、見方を変えれば彼女にとっては幸運とも言えるであろう。

ドラマの展開が中盤から後半にかけて間延びしているように感じる。これは香織のジャーナリストとしての未熟さからくるものであろう。彼女の取材方法、時間の使い方などもっと違う形があるのでは思わせるのだが、その回り道が彼女の成長に繋がっていく。

現代の安川修平を誰が演じているのか、エンドクレジットを見るまで分からなかったが、井上堯之だったのか。このキャスティングが絶妙であった。唄う歌の味わい深さ。笑顔の温かさ。プロの俳優では出しえない素朴な存在感。画面の中で際立っている。

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コメント

ごめんなさい。

間違えたところにTBしてしまいました。m(_ _)m
(後で正しい方にもTBしましたが…)。
お手数ですが削除の方、
よろしくお願いします。

投稿: えい | 2006/02/01 00:09

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