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2006/01/05

CODE 46

製作年:2003年
製作国:イギリス 
監 督:マイケル・ウィンターボトム

環境破壊が進み地球全体が砂漠化した近未来。人々は安全が保たれている都市部に密集して暮していた。都市間の移動は厳しく限定され、パペルという滞在許可証を発行された者のみに許されていた。シアトルに暮す調査員ウィリアムはパペル偽造事件の捜査を依頼され、24時間の許可を得て上海に渡るのだが…。

高速道路。地下鉄。船。様々な乗り物で移動する描写が執拗に続いている。その一方で、滞在許可書パペルを持っていなかれば都市部への移動することはできない描写も繰り返される。その対比によって、自分の意志によって移動できるということも自由の一つであるが浮かび上がってくる。

近未来の状況をあまり説明的に描いていないが、さりげない描写からその状況が分かってくる作りになっている。上海の空港から都市部に自動車で移動するときにトンネルを潜るが、濡れたように見える。特殊な何かで消毒されているのだろうか。監視カメラから撮ったような映像が何度も挿入されているが、これが「スフィンクス社の調査」というものであろう。個人のプライバシーなど存在していない社会。この種のドラマであれば管理者が徹底した悪役として存在することが定番であろう。だが、本作品ではそう単純には描写されていないのが特徴的ある。

滞在許可書パペルの発行を制限していること。“CODE 46”の存在。それぞれに正当な理由がある。問題はその理由を個人へ通知されていないことだ。不正な移動を望むものが後を絶たず、命を落としてしまう悲劇が続く。相応しくない記憶をなくしてしまうなど高度な医療体制も取られているのが、そこに個人の幸福への追求は一切認められない閉塞を感じる。汚染された外部から都市を守るという体制に間違いはない。だが、その運営には血の通った対応が必要であることを、高度に管理された情報社会の入り口にいる我々は知っておかねばならないであろう。

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コメント

こんばんは。
TB,ありがとうございました。
設定から、未来への不安や疑問を感じたものの、
その実はシンプルなラブストーリーだ、と思って観ました。
そう思うと、ラストシーンが泣けてしまうほど、切なくなりました。

投稿: 悠雅 | 2006/01/05 22:21

「高度に管理された情報社会」なんて嫌だなあ。
法律を決めるのは自分達であってもその法律は自分の手を離れたら勝手に動き出して止められなくなるのが常です。その法律を運用して管理するのを商売にするヤツらも出てくるのだから、最初から法律で何とかしてくれなんて言わない方が賢明じゃありませんか。

投稿: orang-u | 2006/01/28 11:23

これまたTBありがとう^0^
恋愛映画としてみれば中々のものですね。
しかし、遺伝子社会って嫌ですよね。簡単に甲乙つけられるし、管理的な社会もある意味プライバシーの侵害みたいな感じですしー。
まぁティム・ロビンスはだいぶ年とったなーと感じた作品だったなぁ。

投稿: KAZU | 2006/02/03 23:36

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