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2006/01/22

ベルンの奇蹟

製作年:2003年
製作国:ドイツ
監 督:ゼーンケ・ヴォルトマン

1954年ドイツの工業地帯エッセン。サッカーの大好きな11歳のマチアスは地元のサッカー選手ヘルムートの荷物持ちをしている。ある時、先の大戦でソ連軍の捕虜となり消息不明だった父リヒャルトが11年ぶりに帰還する。リヒャルトは戦後の新しい価値観になじめず厳格な態度で家族と接するが…。

1954年という時代背景。まだまだ帰還兵がいて、不況で失業者もたくさんいる。敗戦国として暗い影が覆っている。今の我々からすれば、ドイツはサッカーの強国として認知されているが、この頃のワールドカップの状況ではハンガリーが無敵の勝者であったことが興味深い。ドイツ国民ですらこんなに勝ち進めるとは思っていなかった。そうした暗い状況での優勝がどれだけドイツ国民を勇気づけたものなのか、容易に想像がつく。

不在であった父親の突然の帰還。家族たちはバー、音楽、サッカーと未来に向かって生きているが、父は戦争で負った心の傷が癒えず過去に囚われたままでいる。彼らは最初から大きな溝があって、容易に埋めることができないでいる。家族たちに不協和音が鳴り響くのは必然なのだ。この父親が傑出しているのは、周りの助言に聞く耳を持っていたことだ。家族も仕事もうまくいかず自分自身の身の置き場所を見つけることができない。こうした状態が続けば、身を持ち崩してしまっても不思議ではないだろう。だが、彼は神父や妻のアドバイスに従って行動を起す。彼が変わったことで家族は再生するのだ。自分の弱さ、苦しみを認めてしまうことから新しい何かが始まっていく。

家族。記者夫婦。サッカーチームと3つのドラマが平行して進んでいく展開も秀逸だ。記者夫婦の会話がいいアクセントになっている。最初はサッカーに興味がなかった妻の変貌がおかしかったし、そのことによって三者が結びつくになる。

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コメント

こんにちは、はじめまして
TBありがとうございました。

支えあう家族&父子もの、特にヨーロッパの映画いいですよねぇ。
私は普段はサッカー見ませんが、ワールドカップは別。応援の力が入るのわかるような気がします。

投稿: mimia | 2006/01/22 18:55

こんばんは、いつもどもです。
とても好きな作品なので、高評価で嬉しかったです。伏線が最後につながってるし、それぞれの物語も面白かったです。

投稿: カヌ | 2006/01/22 23:19

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