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2006/01/30

親切なクムジャさん

7581

製作年:2005年
製作国:韓国 
監 督:パク・チャヌク

クムジャはペク先生と一緒に営利目的の幼児誘拐事件を起す。だが、ペクは幼児を殺害してしまう。彼はクムジャの幼い娘を人質に取り、彼女に殺人の罪を背負わされて投獄させる。刑務所では誰に対しても優しい笑顔を絶やさず人の世話を続け、“親切なクムジャさん”と仲間から慕われていたが…。

もっとシンプルな復讐ドラマかと思っていたが、後半の展開に唖然となった。こういう話を考える発想に驚嘆する。このクムジャの行為は、単に無実の罪を被された恨みを晴らすものではない。犠牲になった少年への贖罪のためであった。獄中でのキリスト教への帰依は、収監時間を短くするための計算もあったであろうが、本当に罪を償おうとする心情もあった筈だ。出獄後も赤いロウソクを絶やさずにいたのはその表れに違いない。

本作品はクムジャの出獄シーンから始まるが、そこから彼女の二面性が現れて一気に引き込まれる。先に出獄している受刑者仲間が彼女の姿にみな驚きを抱く。赤いルージュがそれを強調させている。そして、復讐の行為への協力にそれぞれ一部分しか関わらせないようにしているのが興味深い。彼女たちの生活へさほど負担をかけないようにしている配慮が感じられ、そういうところが“親切なクムジャさん”と言われる所以であろう。

韓国映画と言えば、雨が付き物であるが、本作品では雪が絶妙に使われていた。罪を償って真っ白な心を取り戻したいというクムジャの心情と巧く呼応している。なかなか良い。

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コメント

こんにちは♪
白い雪、豆腐、赤いルージュ、血、黒いコートなど色彩的にもいろいろ含みがありそうでしたね~。
あまりの大量の流血に、私が見られるギリギリの作品でした(汗)

投稿: ミチ | 2006/01/30 23:25

「シンデレラマン」にもTBさせていただきましたが、こちらにもTB&コメント失礼いたします。
この作品、クライマックスで遺族がビデオを観るシーン、涙が出ました。
それでいながら、複雑なストーリーやユーモアがたまらなく面白くて、DVD発売が待ち遠しいです。
いきなりのコメント、失礼いたしました。

投稿: RYUYA | 2006/02/09 19:56

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